4835561880父・鈴木信雄―島田事件の弁護士の素顔
鈴木 清子
文芸社 2003-08

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『島田事件』...という冤罪事件について、今の人がどれくらい知ってるか知らないけれども。

島田事件 - Wikipedia

鈴木信雄は、その事件において弁護団を率いた弁護士であり、
著者の鈴木清子はその娘。

弁護士が日常生活何をしているか、というのは外側からは見えにくく、
何となく裁判所や記者会見でのやりとりがその弁護士の評価になってしまいがち。

そういう意味で、著者自身の人生を通してみた鈴木信雄弁護士の半生と、
また、恐らく十分な資料もないと思われる中で緻密な調査を元に照らし出された、
その前半生は凄く興味深い。
法律が違ったにせよ、市議会議員と県議会議員、そして弁護士を、
どれも手を抜くことなくフルパワーでやり通した人間は...僕は他には知らない。

時代の要求もあったかもしれ無けれども...素直に凄い人だったのだなと思う。
...というのが、読後の素直な感想なのだけども。



この本を手に取った理由は実はそう言うことではなくて、
『鈴木信雄』という人が僕の曾祖父だから、なんですね。著者は大叔母。

曾祖父が亡くなったとき僕はまだ3歳で、殆ど記憶に残っていなくて、
残っている記憶も後年家を訪れた経験が脚色されているものなのかもしれないけど、
なんとなく曾祖父の膝の上に抱かれてたような...気がする。

凄い人だったらしい、というのは聞いていても実際にどんな人だったかは全く知らなかったし、
自分のルーツの1つを出来ることなら垣間見てみたかった。
(ちなみに祖父は養子なので直系ではない)

で、読んでみて改めてスゲーなと。
性格は几帳面、仕事は真面目だけど、花街で"顔"だった話とか、
投資に失敗して多額の借金を背負った話とか、
全然凄くない話も沢山出てきて、
ただ正義感溢れる正論をふりかざす真面目な...とかそういうことではなく、
凄く人間くさい面も持った色んな遊び心のある人だったみたい。

凄いわ。


こういう祖先がいることに素直に誇りを抱くし、
同時にそれに恥じないように...というか、もちろん僕は彼にはなれないけど、
自分として誇れるように生きていかなきゃいけないなとか。

清子叔母さん、良い本書いたね。
(本職は絵本作家。『こおろぎとおばあさん』が凄く印象に残ってる...)