例えば「演繹的な表現」がわからない人たち(その4)

パズルを組み合わせる人たちのイラスト(ビジネス)
その1その2その3 からの続きです。



面倒ではないけどちょっと注意が必要な人

たまにいる「面倒ではないけどちょっと注意が必要な人」としては、「読解力があるように振る舞うことに慣れてしまっている人」というのがあります。女性に多いようなと一瞬思ったけど、男女関係なくいますね。話をしていて解ったようにリアクションしていて、良かった伝わったと思っていると、話の一番最初から解ってなかったみたいな。それで最初から説明出来るならまだ良い方で、まったく誤解したままでいたり、不安になって理解出来ることを確認したら不機嫌になったり(自分自身も「自分は理解出来る」と思い込んでいる)、まあ厄介。もちろん客商売の人とか話を理解する/させる必要性が高くない状況では、言いっぱなし/聞きっぱなしの方が良い場合もありますけど、うーん、そういうの習い性になっちゃうんですかね。

どうでもいい世間話なら僕も聞き流すけれど、重要な話をしているときには、理解出来なかったことはきちんと確認して了解するまで質問します。でもねーそれが、また不評でね。なるべくポイントを絞って具体的な質問をしているはずなんだけど(「なにそれわかんない」とかじゃなく「これってバランスを取るってことですか?」みたいな)、その質問の重要性が解ってもらえないことが多くて。不思議なんですけど、論理的思考能力が高い人に質問する方が意外に馬鹿にされないし、丁寧な答えが返ってくることが多いです。そうでない人は余裕がないからか、質問を嫌がる傾向が強い。突っ込まれたくないし、そもそも質問に答えられるくらい自分もよく解ってない。逆に自分が聞く立場だったら質問なんかしないのにとすら思っている節があります。


見ていて一番恐怖を感じるのは、ミーティングなり発表なりがあって、そこに集まってみんなふんふん聞いていて、「じゃあよろしくお願いしますね」と解散になったあとに何人かで集まって、

  • 「結局あれってどういうこと?」
  • 「さあ、わからん」
  • 「いままでどおりでいいってことだよね?」
  • 「そうちゃう?」
  • 「まあ間違ってたらまた何かあるでしょ」

みたいな会話がされているとき。
余計なお世話かなと思いつつ横から解説すると、

  • 「ああそういうこと!」
  • 「そうならそうと言ってくれれば良いのにね!」

そう言ってたって……

  • 「え、じゃあ、今までのやり方変えなきゃいけないってこと?」
  • 「なんでよ!それじゃあ困る!」

俺に言わんといて……

みたいになるわけです。理解してねえのかよ!っていうのと、わかんないならその時言えよ!っていうのが交錯してなかなかなスリルを感じますね。


続きます。次で最終回。 → 例えば「演繹的な表現」がわからない人たち(その5/最終回)