トロントで愛される男、川崎宗則。現地の反応と選手としてのデータからその愛を垣間見る。

13_nico.jpg


川崎はなぜ愛される?漫画みたいな強烈キャラのニューヒーロー ― スポニチ Sponichi Annex 野球

米国で「KAWASAKI」といえば、最初に思いつくのは日本製のバイクメーカー。しかし、カナダ・トロントでは、一人の日本人野球選手をイメージする。今季からブルージェイズでプレーする川崎宗則内野手(32)は今やその独特なキャラクターでチームNo・1の人気者だ。打率は2割そこそこだが、地元ファンの間では7月のオールスターゲームに出場させようという動きまで出ている。なぜ今、川崎なのか――。周囲の声から検証した。



MLBファンの皆さんには随分前から「そうらしいね」と言う話題だと思いますが、元ソフトバンク、前シアトル・マリナーズの川崎宗則選手(現在はトロント・ブルージェイズ所属)の人気がうなぎ登りです。どれくらい人気かというと、打席に立つと「か!わ!さ!き!」というコールがスタジアムに鳴り響き、サヨナラヒットを打ってチームの選手全員に袋叩きにされ、インタビューに登場するや周りの全員が笑顔になり、協賛の?英会話の番組に出てパーソナリティ含め全員が大爆笑し、トロントの有志で作られた応援団がオールスター出場のための運動を始めるくらい、人気です。




先の記事では、ムネリンが愛される理由についてこんな表現で伝えています。

川崎はなぜ愛される?漫画みたいな強烈キャラのニューヒーロー ― スポニチ Sponichi Annex 野球

川崎が愛される理由は、トロントという土地柄とも関係している。人口250万人を誇る北米有数の都市だが、移民の数は米国のマイアミに次いで世界で2番目に多い。地元紙「トロント・サン」のケン・フィドリン記者は「トロントは欧州、南米、アジアなど世界中から集まった人たちが住む国際都市。ここでは自己主張することが大事。だから、彼のあの個性的なキャラクターを自然と受け入れることができる」と分析する。

 球場のグッズ売り場で川崎Tシャツは完売。7日の試合前には地元テレビ局の英語レッスン企画にも出演した。意味不明の「ガーヒー!」という言葉を連発し、大爆笑を誘った。ブ軍の試合を中継するテレビ局「スポーツネット」のバリー・デービス記者は「今度、ムネの一日をドキュメントで撮らせてほしいと頼むつもりだ。朝起きて何をしているのかとか、みんな知りたいと思っているよ」とまで話している。



そう、とにかくね、可愛いんですよ。微笑ましいというか。打算のない、一生懸命さが画面から伝わってきてもうね、なんというか、応援したくなる。その辺は動画を見てもらうしかないと思うので、いくつか貼りますね。

【MLB】川崎 インタビュー


川崎宗則がインタビュアーを爆笑させまくってヒイヒイ言わせてると話題


最初の動画は、サヨナラヒットを打ったあとのヒーローインタビュー。チームメイトからも愛されてるのが解ります。次の動画は英会話講座のゲストということらしいのですが、スタジオ受けすぎwwwで、出番が終わったあとのレポーターのセリフ「yeah, that’s real」「natural」(あれ、作りじゃないんだよ。ほんとあのまんまのヤツなんだ)っていうのが、彼がどれだけ愛されてるのかを象徴しているなあと思います。我々日本人から見てもだいぶエキセントリックなんだけど、彼のその、裏表のない一生懸命なスタイルがそのまま受け入れられてるんだなあというね。本当に素敵なことだと思います。


MLBでの活躍は如何に?

シアトルにいた2012年シーズンはあまり出番がなかった川崎ですが、トロントに移った2013年からは印象に残る活躍をしています。今シーズンで言うとこのへんですかね……

【MLB】川崎逆転サヨナラ打 9回裏ノーカット【TOR】


川崎 1塁から激走、好走塁で一気にホームイン 2013/6/8


川崎 延長10回貴重な追加点、タイムリーツーベース 2013/6/12


最初の動画が、先のインタビューのきっかけになったサヨナラ安打です。川崎の出番は14分くらいから。愛されてるなあ……

実際の成績は、

出場49試合 130打数28安打 打率.215 HR0 打点14 出塁率.327 盗塁7

といった感じで確かに一流とは言えませんし、MLBで不動のレギュラーと行った感じでもありません。ただ、注目すべきは「出塁率.327」で、これはチーム内のレギュラー/準レギュラー選手(6/13時点で100打数以上)の中で上から4番目の数字です。

その他のデータでは、例えば、攻撃における勝利貢献度を示すOWAR(WAR without the defense)では、レギュラー/準レギュラー選手(同)の中で上から6番目。

Toronto Blue Jays 2013 Batting / Hitting Statistics – ESPN

守備における勝利貢献度を示すDWARでは上から3番目。

Toronto Blue Jays 2013 Fielding Statistics – ESPN

監督が「数字以上の存在価値が彼にはある」と言うとおり、打者を評価する一般的な要素(打率・HR・打点)では余り光る部分はありませんが、 そうではない部分においてチームの勝利にとって欠かせない存在になっていることが解ります。


地味ながらもその存在価値をきちんと評価され(田口壮さん(元セントルイス他)のようだ)、そしてキャラクターも理解され受け入れられ、こういう愛され方をした日本人選手って他にいるかな……多分いないんじゃないかな……日本にいるときはもっと全然違う固い感じのイメージだったんですけど、川崎ってこんな選手だったんだ……なんだか最近のMLBでの「活躍」ぶりを見てとっても好きになってしまいました。ホセ・レイエスがメジャーに復帰したらマイナーに落とされるのではないか(成績だけでなく契約の問題もある。レギュラークラスは簡単にマイナーに落とせない契約になってる)と言われてますが、いやいや今シーズン、最後までメジャーで活躍してくれることを期待します。チームの成績はふるわないけどね!(アメリカンリーグ東地区で最下位)だから余計に活躍出来るチャンスがあるんじゃないかと。

応援してます。