ユーロ円が11年半ぶりの円高水準でどうやら記録を更新しそうだという記事を書いたのは6/1のことでした(ユーロが11年半ぶりの円高水準に(96円後半))。それから1ヶ月半、ギリシャに対する支援や経済政策、スペイン国債の評価下げなど様々な出来事がありまして、遂にユーロが95円40銭を割り込むにいたりました(終値は95円44銭)。
もうあれですね、はっきり言ってドルと見分けが付かないですね。
きっかけは、スペインの経済危機。
ユーロ:全面安の展開 スペイン悪材料続々- 毎日jp(毎日新聞)
【ロンドン会川晴之】欧州共通通貨ユーロが外国為替市場で、円など主要通貨に対して全面安の展開になっている。対円では20日、1ユーロ=95円35銭と、2000年11月以来、11年8カ月ぶりのユーロ安水準となり、対ドルでも約2年ぶりの安値となった。スペインやギリシャなどをめぐる欧州債務危機が、さらに深刻化するとの懸念が高まったのが背景だ。
最大の懸念はスペインだ。欧州連合(EU)で、ユーロを採用するユーロ圏(17カ国)諸国は20日に最大1000億ユーロ(約10兆円)の金融支援を決めたが、国債利回りが自力での資金調達が難しい「危険水準」とされる7%を超え、財政支援も含めた全面支援に追い込まれるとの観測が高まっている。
まあ、スペイン、イタリア、ポルトガルの3カ国の経済が厳しいという話は以前からあったのですけど、さしあたってはギリシャの問題があったので特段に懸念されることはなかった…ということでしょうか。ギリシャはもうこれ以上打つ手が無いから次はスペインですかね的な話?
GDPの規模から考えると、
ポルトガル < ギリシャ << スペイン < イタリア
くらいになるので、スペインを上手く処理できたとしてもまだ最後にラスボス・イタリアが控えているという。そこまでドイツとフランスが我慢できるかどうか…フランスが仕切ってドイツが金を出すってのが「ユーロ」という枠組みでいつまでも続くものなんでしょうかね?解りませんけども。まだギリシャ問題が着地すらしていないのに…
ユーロ:全面安の展開 スペイン悪材料続々- 毎日jp(毎日新聞)
一方、欧州中央銀行(ECB)が20日、金融機関などに資金を貸し出す場合の担保としてギリシャ国債を受け入れない、と発表したことも懸念材料になっている。ECBの異例の措置は、財政再建策の見通しが立たない状況にあるためだ。
ギリシャは5月の総選挙、6月の再選挙をめぐり政治の混乱が続いた。ECBと国際通貨基金(IMF)、欧州委員会は、24日から専門家をギリシャに派遣し、財政、経済の状況把握を進める。緊縮策に対する世論の反発を受けて、サマラス新政権は財政再建計画の2年延長を求めている。しかし、延長は支援増額に直結するため、ドイツなど支援国側が難色を示すのは確実で、調整難航は必至だ。
また、ギリシャ政府は、8月20日に約30億ユーロ(約2900億円)の国債償還(借金の返済)のための資金を確保する必要に迫られている。緊急対応策の導入も含め、ぎりぎりの交渉が続きそうだ。
まーそんな知識もあやふやな難しい話はともかくとしても、円高、全然元に戻りませんね…
ドル円は78円40銭
これは奇しくも前回の記事を書いたときと同じ数字ですね。あんまり派手な展開はないと思うんですが、状況としてはこんな感じっぽいです。
為替週間見通し:米経済指標に注目、FRBの緩和観測高まればドルじり安の展開か(フィスコ) – ニュース・コラム – Yahoo!ファイナンス
今後のドル・円は、米国の経済指標が景況感の悪化を示すものであれば、米連邦準備理事会(FRB)による追加緩和観測が高まり、じり安に推移することが予想される。また、ギリシャ政府による「トロイカ」(欧州連合・欧州中央銀行・国際通貨基金)への緊縮財政措置の緩和要請が難航した場合は、ユーロ圏のソブリン・リスク回避の円買い圧力が強まることが予想される。ドル・円が、米国の追加金融緩和観測やユーロ圏のソブリン・リスク回避の円買いで77円台に下落した場合は、日本政府・日本銀行による円売り介入が実施される可能性が高まる。
自分のところの経済成長のために緩和を継続的に行い出来ればドル安を維持したいアメリカと、全方位的に円高圧力が掛かる中何とか突破したい日本のつばぜり合いみたいな。100円まで戻せとか無茶言わないからせめて90円くらいまで戻ってくれればねぇ。日本もアメリカも平和にやっていけると思うんですけどねぇ。まぁ、アメリカに策あり日本に策なし→円高維持みたいな感じにも見えますけどね。
しばらくは(今後数年は)こういう状況が続くってことなのかなー
まぁなんというか、そんなに「日本経済はもうトップグループにはいない」と言うのであれば(実際そうなんだけど)、いい加減資金の逃避先を日本にするのは止めても良いんじゃないですかと思うんですけど、そういう問題じゃないのかなー