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感想と雑感
可能なら原作は読んでおいた方が良いです
公開当初、映画を見た人たちの感想として「原作読んでなくても楽しめました!」という感想をよく見掛けました。大好きなマンガを原作としたアニメ/映画が、それを読んだことの無い人たちにも支持されていることをとても嬉しく感じましたが、同時に「ライト層向けなのかな?」とも思っていました。原作のハイライトみたいな作りとか。でも実際に見たら全然違いました
原作の設定を深掘りしながら、湘北vs山王の一戦を描いていく作品で、作り込みが半端ない。そして演出の都合(桜木ではなく宮城にフォーカスさせるため)か、尺の問題か、はたまたコンプライアンス的な理由なのか、カットされているシーンやセリフがかなりの数ありました。もちろん「名言」と言われているセリフはきちんとお膳立てをして描写されているのですけど、例えば桜木花道の口は動いているけど音声がないシーンとか、遠景の描写で赤木と花道が何かを言い合ってるシーンとか、そういう描写も。実際、そのセリフがなくてもストーリーを追うという点では特に支障はないのですけど、それを知っているファンにとっては大事なセリフ。それをただカットするのではなくて遠景で喋らせてくれた(そしてそれによって試合の流れを切らずにセリフも言わせている)ことによって、ファンにとっては全てが脳内再生されて勝手に描写に奥行きを持たせられる。ああ、あそこであのセリフ言ってるんだなってのがわかる。
いや、もうね、すげえわこの演出って思いながら見てました。
井上雄彦先生が監督までやってるだけのことはある。
(井上雄彦先生が原作・脚本・監督担当、演出は宮原直樹さんほか5名が担当)
そういうわけなので、
確かに原作を読んでなくても楽しめますが、原作を読んでるとより一層楽しめると思います。原作を一通り読んで、山王戦の部分だけ3回ぐらい読んでおくとベター。もちろんすぐ読める環境にあればですけど。実は見るつもりなかったんですよ
映画が公開されたのは昨年末。最近よくある「連載の続きを映画で」みたいなパターン(つまり完全新作)ならすぐに見に行ったかも知れませんが、全ての台詞を覚えてしまうぐらい何度も読み返したSLAM DUNKを今さら映画化すると言われても自分的にはあんまり新規性がなく。自ら映画館に行くという習慣がないこともあって当初は見に行くつもりはありませんでした。
きっかけはTHE BIRTHDAY
始まりは奥さんがSLAM DUNKにハマったこと。いやもっというと、映画のオープニングテーマにTHE BIRTHDAYの楽曲が使われているということで、それを映画館で爆音で聴きたい、そのために映画を見に行きたい、原作があるならそれも読んでおきたいみたいな流れ。で、原作を気に入ったので映画も見に行こうとなって行くことになったのでした。そんでまた曲の入りがバカかっこいい
THE BIRTHDAYが格好いいのはよく解ってるんですけど、果たして彼らの演奏とチバユウスケの声がアニメにマッチするんだろうかとも思っていたんです。そしたらまあなんというか、超格好いいじゃん!事前に聴いてなくて映画館で初めて聴いたんですけど、めちゃくちゃ格好良かった。こんな使い方してもらえたらミュージシャン冥利に尽きるよなあ。劇中の音楽は基本的に10-FEETが担当しているのですけどなんでオープニングテーマだけTHE BIRTHDAYだったのかな、、と思ったら、井上先生THE BIRTHDAYのファンだったのか!最高やん。
The Birthdayは井上がファンだったためオープニング曲を依頼
THE FIRST SLAM DUNK – Wikipedia
そしてそのオープニングは井上先生こだわりの作り込みだったそうで、なるほどなあ。どうりで格好いいわけだ。オープニングのあの部分だけで数ヶ月かかってるそうです。マジか。
(演出・宮原さんのインタビューより)
最高でした
しかも今回、MOVIX京都の「Dolby Cinema」ってヤツで観たんですけど、これがまた音響も映像も最高で。追加料金600円は掛かるんですけど、音響が大事な作品だったら全然ありです。こういうところでライブのサテライト中継とか、ライブ映画の上映とかして欲しいなあ。というわけで、最高でした。見に行って良かった。