「実質実効為替レート」(REER)が50年ぶりの低水準とのことなのでグラフ化してみた

ローソクチャートのイラスト
通貨の実質的な実力を表すと言われる「実質実効為替レート」(REER)。円の「実質実効為替レート」が50年ぶりの低水準になったということなので、グラフ化してみました






「実質実効為替レート」グラフ(2010年=100)



参照データ

系列名称検索 | 日本銀行 時系列統計データ検索サイト

「実質実効為替レート」で検索して表示される「FM09’FX180110002(実質実効為替レート指数)」のデータを元に最新2022年1月のデータを追加して作成しています。



国際決済銀行(BIS)が17日発表した円の総合的な実力を示す「実質実効為替レート」(2010年=100)は、1月の数値が67.55となり、1972年6月以来、約50年ぶりの低水準だった。数値の低さは、円安進行や物価低迷で円の購買力が下がっていることを示す。輸入に頼る原油や小麦粉、大豆などの価格が高水準にある中、円の実力低下も家計への逆風となっている。

 実質実効為替レートは、ドルに対する円の価値を示すような2国間の為替相場とは異なり、主要国の物価上昇率や貿易額なども考慮して通貨の総合的な購買力を示す指標。数値が大きいほど、海外からのモノを安く買える。

円の実力、50年ぶり低水準 購買力が低下、家計に逆風 | 共同通信



なんとなく思ったこと

「実質実効為替レート指数」は2010年を100にしたときの通貨としての円の強さを表す数字です。統計開始は1970年で、一番強かったのはバブル全盛の1995年4月(150.85)となっています。共同通信の記事の中では「1972年6月以来、約50年ぶりの低水準」と書かれていますが、実際には1995年4月を頂点に円の実力は緩やかに下がっており昨日今日急になったものではありません。

また1972年6月(67.49)と同程度の水準というと2015年6月(67.63)という数値があるので「約50年ぶりの低水準」というのはちょっと言いすぎで、2015年6月が「約43年ぶりの低水準」であり今回は「約7年ぶりの低水準」という方が適当かなと思います。


近年の数値を見ると新型コロナウイルス感染拡大前の2020年初め頃には80台にまで戻していてこれは安倍さんの時代の金融政策の成果とも言えるのかも知れませんが、でもなあ、金利をめちゃくちゃな水準まで下げて日銀が目一杯国債買って支えてそれでこの水準なので何かちょっとインチキくさいですよね……ええんかっていう。

だんだん韓国のウォン安を心配してる場合じゃなくなってきた気がします。大丈夫なんかな。