9月10、アリババ創始者で会長だった馬雲(ジャック・マー)が予告どおり引退し、アリババ経営から完全に離れた。ちょうど55歳の誕生日であり、その前後には、中国メディアが彼の功績や評伝を書き立てた。また浙江省杭州から「功勲杭州人」という栄誉ある称号を送られたなど、ポジティブニュースとしてその引退が報じられている。
中国でカリスマ経営者が次々に退いていく理由 瀕死の中国経済、“ICU入り”で延命措置(1/4) | JBpress(Japan Business Press)
だが、その10日後、杭州政府が100人の官僚を「政務事務代表」として、アリババやAI監視カメラメーカーのハイクビジョン(海康威視)、民族自動車企業の吉利など100の重点民営企業内に駐在させると発表した。口の悪いネット民たちは「地主を追い出して田畑を接収しようとしている」と噂した。
その後、IT企業、テンセント(騰訊)創始者の馬化騰やレノボ(聯想集団)創始者の柳伝志が、馬雲のあとを追うように次々とビジネスの現場から去ることがあきらかになった。こうした“早期退職”は決して早々とセカンドライフを楽しみたいから、といった理由からではなさそうだ。民営企業からカリスマ創始者たちを追い出し、政府官僚による直接支配が始まりつつある。中国民営企業の大手術が始まっているのだ。
だが、この大手術、失敗するのではないか。「中国経済のICU(集中治療室)入り」と言う人もいる。ICUに入ったまま脳死する可能性もあるかもしれない中国民営経済の危機的状況について、まとめておきたい。
とても興味深い内容だったし詳しくは記事を読んでもらうとして、おおよその内容としては、
- 米中貿易摩擦で中国経済は減速している
- 原則した中国経済を救うために中国政府は、民間企業の統制を計画している
- 管理が行き届く反面、民間企業のカリスマ経営者たちは萎縮し一線から身を引き始めた
といった感じ。
中国のストロングポイントとは
専門家ではないし詳しいことは上記記事に譲るとして、個人的に感じる中国のストロングポイントは、「人がたくさんいること」。これに尽きると思っています。ただでさえ好奇心、向上心が旺盛な中国人が日本の10倍以上の規模で存在しているわけです。その中からは当然優秀な人材も出てくるし素晴らしい企業や素晴らしい製品も生まれてくる、それらが全て中国のエネルギーになり、国力向上に繋がっていると思うんです。一昔前はAmazonで売られている中国製品はジャンクなものばかりでしたが、今だと同じようなレベルの製品(とても良いわけではないけれどそこそこは使える安価な製品)が死ぬほどあって、特にガジェットなんてもう買える状況じゃない。企画や設計書を使い回したコピー製品だと言うのは簡単で実際にそうなんだろうけれど、それにしても色んなスタイルの製品があり、それらがそれぞれ別の人間の手で作られているというスケールに頭がクラクラする思いです。どれだけたくさんの人、会社があるんだろうと。今は有象無象が集まっただけの雲霞であってもそこから素晴らしい企業が生まれたり、全体のレベルが上がる可能性もある。中国のストロングポイントは結局のところそういうところだと思うんだけど、そのことと、中国政府が管理を強めることというのは相反しているわけですね。中国共産党のピラミッドの上の方の人が定めた方針に従って、それぞれの企業が活動をしていく感じ。それでは安定することはあってもカオスは生じず、怖さもない。中国は普通になったらいかんのですよ。もちろんそんなこと、中国の偉い人だってわかってるとは思うんだけど、わかっててもやらなくちゃいけないぐらいのピンチだってことなのか。それは中国経済のピンチなのか、このまま民間企業に好き放題やらせたら共産主義が完全に終了するピンチなのかはわかりませんが、ストロングポイントを失ってでもやる、そういうなりふり構わず来てるってことはわかってないというよりはわかってるけど仕方ないっていう話なんでしょうね。
結構やべーんじゃないかなあ。。。