第25回参議院通常選挙が終わりまして(追記あり)

「改憲3分の2」維持できず=自公、改選過半数-れいわ・N国が議席【19参院選】(時事通信) – Yahoo!ニュース

21日に投開票された第25回参院選は22日未明、改選124全議席が確定した。  自民、公明両党で71議席を獲得、改選議席の半数62を超えたが、自公と憲法改正に前向きな日本維新の会の「改憲勢力」では、改憲発議に必要な参院の3分の2(164)を割り込んだ。立憲民主党は改選議席の倍に迫る17議席に伸ばした。  安倍晋三首相(自民党総裁)は21日夜のテレビ朝日の番組で、改憲について「議論していけという国民の声を頂いた。国会で議論が進んでいくことを期待したい」と表明した。



第25回参議院通常選挙が終わりましたので、個人的な雑感を。





立憲民主党が巻き返したものの、全体としては自民党と公明党が手堅くまとめ、与党の勝利といって良い結果でした。



山本太郎さんと仲間たち

ネットで騒がしかった「れいわ新撰組」は代表の山本太郎さんが落選したものの、比例区で2議席を獲得して特別枠に割り当てられた身体障害者2人が当選、山本さんは付き添い(代弁者)として国会に行くことになりました。すげーな。身体障害者にだって被選挙権は認められているし、もし国会の設備に不備があるのであれば税金を使って改修を行うのは当然のことだと思います。立法府の長たる国会がバリアフリーに気を遣っていないなんてそんな恥ずかしいことはないと思うので。

ただそれはそれとして結局山本さんが国会で発言できるという状況はそれなんつう裏技だよというのが正直な感想でもあり、さらに身体障害者が関係していることでそうした指摘をしづらい空気になっている点で良くも悪くも「上手いなあ」と言わざるを得ない感じ。そういのを「小ずるい」というか「資金も組織もない中で頭を絞ってる」というかは意見の分かれるところではあると思いますが、一定の支持者がいるのは事実であるし、そうした人たちの声を代弁する人間として山本太郎さんには今後も頑張って頂きたいと思います。政策や方針には全く賛同できませんが、しかし彼が正当に発言できるように現職国会議員を加えてれいわ新撰組が政党要件を満たせるようになると面白いのになとも思っています。党としての姿勢を維持したまま人数を増やすのはなかなか難しいですけどね。
(生活の党のときみたいになりかねない)

追記:2019/07/22

「れいわ新撰組」および「NHKから国民を守る党」は比例区での得票率が2%を越え、政党要件を満たした模様です。



立憲民主党はもう少し支持されてもいい

立憲民主党は8議席増やして32議席、国民民主党は2議席減らして21議席。政党支持率がそれぞれ6.0%、1.6%であることから考えると妥当かなという感じではあります。ただ立憲民主党って結党時には非自民の受け皿になるはずだったし、そのために党の方針に異論を唱える議員を首にしたりして色を出してきたはずなんですが、なんでこんなに支持率低いんでしょうね。よくわかりません。そもそも非自民っていう人が少ないんだろうか。国民がみんな政策を読み込んで判断しているわけはないので、自民は微妙だと思ってるけど立憲民主党ってなんか支持しづらくない?みたいな感じか。立憲民主党の党首が枝野さんみたいな堅物ではなくて、山本太郎さんみたいな扇動者であったらもっと非自民の支持を集めてるだろうと思うんですけど、それだと「日本の伝統的左派を真面目にやる」っていう立憲民主党の色が薄れちゃうしなあ。なんか惜しい。



社民党、何とか存続

「日本の伝統的左派」と言えば、社民党です。かつては社会党として自民党に対抗しうる勢力を誇り、2大政党制に進みそうな気配すらあったのに、分派を繰り返した結果今や虫の息になっていて、今回の選挙の結果次第では政党から政治団体に降格になる可能性もありました。個人的に注目していたんですが結果は、


「改憲3分の2」維持できず=自公、改選過半数-れいわ・N国が議席【19参院選】(時事通信) – Yahoo!ニュース

社民は比例で1議席を死守、得票率2%による政党要件も維持し、吉田忠智前党首が国政復帰を果たした。



ということで、なんとか政党に留まりました。


政党要件(セイトウヨウケン)とは – コトバンク

公職選挙法などが規定する、政治団体が政党と認められるための条件。国会議員が5人以上所属するか、直近の総選挙、直近とその前の参院選挙のいずれかにおいて、全国で2パーセント以上の得票(選挙区か比例代表かいずれか)があること。



立憲民主党や国民民主党も元を辿れば社民党なわけで、そういう意味では社民党というのはイデオロギーとして大事ではあるんですけど、でもここまで支持を失ったと言うことはつまり誰かの意見を代弁する存在ではなくなったということなんですよねえ。社民党が存続したことを、政治的多様性の点から喜ばしく思いつつも、立憲民主党にでも合流して潔く解党すべきなんじゃないかなあと思ったりもします。


election_2019.jpg https://toho.tokyo-horei.co.jp/kominnavi/seiji_newdata.html



共産党はあいかわらず

社民党と共に日本の伝統的左派といえる共産党は今回は議席を減らしました。共産党はこのところ支持を減らしています(概ね3%前後)し当然かなあと思いますが、国会における共産党の存在意義ってなんかよく分かんないんですよね。地方議会だと他の政党とは違った視点の提案があったりして存在意義があるなと思ったりもするんですけど、国会だと共産党の意見が政策に反映されるでもなく反体制派以外の存在意義が見えなくて、それ共産党じゃなくても良いんじゃねえのと思ってしまったり。

京都ではあいかわらず自民と共産とで1議席ずつでしたが、左派の勝手連の活動見てると山本太郎さんに根こそぎ持ってかれてる感じありましたね。東日本大震災の頃、共産党に同調し支持していた人たちがみんな今はピンクのポスターを支持してる感じで。選挙区は共産党、比例区はれいわっていう人が結構いたんじゃないかなあ。めちゃくちゃ古かった京都府委員会のビルが最近新しく豪華に生まれ変わりまして、国政選挙ではパッとしないけど共産党という「稼業」は上手く行ってるんだなという印象です。いやまあ、共産党さんは京都市議会、府議会で存在感を示していただければ後はもうええ。好きにしてください。




感想など

選挙期間中、京都で山本太郎さん支持者として活動していた知人が「こんなに盛り上がってるのになんで投票率上がらないのかなあ」と首をひねっていたので思わず「そりゃ、盛り上がってる中にいるからわかんないんですよ(笑)世間は盛り上がってないですよ」と言ってしまいました。彼も「そうなんでしょうねえ、中にいるとわからなくなるんですよね」と言ってて自分でもわかってはいるけれど、でもって感じ。いやー今回も盛り上がりませんでしたね。そのうち選挙の争点と左派の提示する政策がマッチする日が来たら、その時は風が吹くんじゃないでしょうかね。選挙なんてそんなもんでしょう。

僕はどちらかというと現実主義者なのか、左派のロマン溢れる政策がいまいちピンと来なくてれいわ始め各政党を支持するには至りませんでした。僕の周りには熱烈な支持者も多くて正直うんざりだったんですが(SNSでフォローを外した友人・知人・店舗が結構ありました)、選挙終わって静かになってくれると思うとちょっとホッとします。個人には活動の自由があると思うので、それを制限したいとは全く思いませんし個人の信条に従って活動したら良いとは思うのですが、一方で望まない宣伝を制限する自由もあると思うんですよね。FacebookにせよTwitterにせよInstagramにせよ、そういう内容をフィルタリングして表示しないようにする機能があると便利なのになあと今回思いました。

以前も書きましたが、善意から来る活動ではあろうと思いますが、正直うるさい。僕にとっては、友人が推してくる「れいわ」の情報と、スマホサイトで表示されるゲームの宣伝とは同程度の価値でしかありません。それは内容の良し悪しというよりは対象として僕が適していないという意味なんだとは思いますが、いずれにしてもオフに出来ないのはなあ……これからSNSでの政治活動はもっと普通になっていくと思います。個人が政治的発言をするのは全然良いと思うので、それを僕が見ないで済むような技術があるといいのに。なんとかなんないですかねえ。



とりとめないですが、今回はそんな感じで。

皆さんお疲れさまでした。