この記事を書くのもなんと3ヶ月ぶり。日銀のマイナス金利からこっち、円高になっていってるなあと気付いてはいたのですが、忙しかったのと、徐々に変化していったので書くタイミングを逃しちゃってたのとで見てるだけでした。でもさすがにここまで円高になるとグラフでも乗せておこうかということで。
グラフ見るとわかるとおり、2月の頭には120円台だったんですね。その前の1ヶ月の間はジリジリと円高で、116円から120円くらいの間で上がり下がりがあるのかなあと言う感じだったのが、ここに来て。何があったんでしょう。
113円前半に急伸、FRB議長証言ハト派的との見方=NY市場 | Reuters
[ニューヨーク 10日 ロイター] – 10日のニューヨーク外為市場で円相場がドルに対して急伸。当初は売られる場面もみられたものの、その後反発に転じ、EBSによると、一時1ドル=113.10円まで値上がりした。
イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長がこの日下院金融委員会で行った証言がハト派的と受け止められるなか、円への逃避買いが膨らんだという。
BKアセットマネジメント(ニューヨーク)のマネジングディレクター、キャシー・リアン氏は「証言終了にかけて市場心理は完全に変わった」と指摘。「3月利上げの可能性は急激に低下したと投資家は認識している」と述べた。
イエレンFRB議長は、金融情勢の引き締まりや中国をめぐる不透明感などが米経済に対するリスクとなる恐れがあるとの認識を示しながらも、FRBが12月に開始した金融引き締めサイクルを覆す必要が出てくる公算は小さいと語った。
時事ドットコム:円急伸、113円台=1年3カ月ぶり-NY市場
【ニューヨーク時事】10日のニューヨーク外国為替市場では、米追加利上げが後ずれするとの観測からドル売り・円買いが加速し、円相場は約1年3カ月ぶりに1ドル=113円台に急伸した。午後5時現在は113円29~39銭と、前日同時刻比1円82銭の円高・ドル安。(2016/02/11-08:13)
つまりこのところ経済好調なアメリカでしばらくは利上げがなさそう → じゃあ円買うかということらしいんだけど、なんで利上げが遅くなると円が買われるんだろう。確かに金利差が大きくなればなるほど円安にはなっていくし、小さくなると円高にはなるんだけど、現状維持で円高になるってどういうことなのかな。専門家じゃないので詳しいことはわからないけど、市場の感覚では「1ドル120円は底値」ということで、ドルを売って円を買うタイミングをみんなが計ってたということなんだろうか。その雰囲気が高まっていたから、そんなにすごいとは思えない材料でもきっかけになる的な。
「追加利上げ 円高 理由」で探したらこんな記事もありました。
米FRBが9年半ぶり利上げで、常識は円安ドル高だが闇株新聞が「円安終了」を予想する理由とは!?|闇株新聞[2016年]|ザイ・オンライン
そうするとFOMCの利上げを受けて国内投資家が今までのように「狂ったように」海外の株式や中・長期債を買い越さない限り、これ以上の円安はないだろうと考えられます。
それだけでなく「少しでも」海外の株式や中・長期債を売り越すとか、売り越さなくても為替のヘッジ売りを積み上げたら、逆に「円高」になってしまいます。
ここのところの円相場が「どんどん円安」という雰囲気でもなく、海外株式や海外債券(とくに格付けの低い債券)への投資環境が「良好」というわけでもなく、ここから国内投資家がどんどん海外投資を加速させることは考えにくいでしょう。
円を外貨に換える需要が少なくなれば円安にはなりません。FX取引は必ず反対決済するので、最近のようにドル買い越し残高が大きいということは「必ず」ドル売り需要があるということになります。
それから本誌が前から気になっていることは、海外投資家による日本の中・長期債買い越しが「思いがけない」高水準であることです。2014年10月~2015年9月も、低利回り(ほとんど利回りゼロに近い)の日本国債を9.6兆円も買い越しています。
海外投資家が日本国債の利回りや値上がり益を期待しているはずもなく「為替益」が目的のような気がします。まだ確証はありませんが、海外投資家は「円は底値に近い」と考えているのではないでしょうか。どこかのタイミングで一気に「円買い」を仕掛けてくるかもしれません。
この辺を考え合わせると円安はそろそろ終了?となるような気がしています。
去年12月末の記事だけど、これがそのタイミングなのかも?
これからしばらく円高が続くのかなー