またうちの会社の商品が高額商品(安くても5万円以上)であることを考えて、「ショップの特徴や商品価格による統計はないの?」と質問したらば「そういう統計はない」という返答だったらしいので、なんとなく「眉つばだなー」「嘘ではないだろうけど話盛ってるよなー」と思って楽天市場の自社ページの統計情報をまとめてみたらこんな感じになりました。
一番最初のグラフは端末毎の「アクセス人数」(恐らくユニークユーザーの意)の推移。2015年6月頃を境にスマートフォンからのアクセスが急激に増えていることが解ります。
2番目のグラフは、スマートフォン(とガラケー)とPCの人数の比較。アクセス人数においては、スマートフォンとPCの比率は開く一方(最新データで2.5倍)で、購入人数比はむしろスマートフォンの割合が下がっています。
もし楽天担当者の言うことが正しいのだとすると、これらのグラフの意味するところは、
- スマートフォンからの流入が激増しているのにサイト構成が未熟なために機会を失っている
ということになりますが、スマートフォンから流入するユーザーの購入人数が、激増するアクセス人数に比べて全然増えていないことを考えると、
- スマートフォンから流入するユーザーはアクセスはするけれど売上に繋がる行動は取らない
とも考えられます。
どちらの考察を採用するかは、どんな結論を必要としているかによって変わりますし、逆に言えばどちらも根拠が薄いのですよね。
現実的に執りうる手段としては、
- 楽天担当者が言うとおりにスマートフォン向けページを充実させてみる
- 効果測定を購入人数ベースで行う
ということになるとは思います。担当者の言うとおりにやって売上が伸びたらそれはラッキーだし、やってみる価値はあるけれど、あまり期待しすぎても仕方が無いし、結果はちゃんとこちらの物差しで見ていきましょうね、と。
ちなみになんでスマートフォンからのアクセスが増えたのか?
ここ1, 2年くらいスマートフォン向けサービスに力を入れ始めているようなんですよね。【楽天 楽天市場事業 城戸幸一郎 執行役員】変革の時期に 海外進出の成功事例が増加/出店者、ユーザーと一緒に次のステージへ | インタビュー | 日本ネット経済新聞 | 日流ウェブ
その成果が出たということなんでしょう。スマートフォンだけで10万円近い高額商品をホイホイ買っちゃう人ばかりではないと思うので、アクセス人数の増減が売上に直結しない場合もあるよねとは思いますが、現実的には、消耗品や日用雑貨、1万円以下の商品であればスマートフォンでざっくり検索してその場で買ってしまうということは、今どき普通だと思うので。
また今年の7月にはこんなこんなアプリがリリースされています。
楽天、楽天スーパーポイントが貯まるスマートフォン向け広告配信アプリを提供開始|楽天株式会社のプレスリリース
「Super Point Screen」をダウンロードすると、スマートフォンのロック画面に、本サービスの広告主が提供するファッション、グルメなどの広告が配信されます。これには、楽天グループで取り扱いのある商品の広告も含まれます。ユーザーは、ロック画面上に配信される複数の広告から閲覧したい広告を選び、遷移先の広告詳細ページに5秒間滞在すると「楽天スーパーポイント」を1ポイント獲得できます(注2)。
こんなんでサイトを訪れる人なんかいる?と思うけれど、ポイントを溜めることに熱心な人ってのは結構いるからなあ……もしこれが本当に浸透しているとしたら、ますますアクセス人数が信用出来なくなるわけで、どうしたもんでしょうね。
ま、楽天の担当者があるていど煽るのは仕事として仕方ないわけですし、「ショートカット」に頼るだけじゃなくて、最終的な数字(この場合は売上)もきちんと見ましょうねってことですかね。