飲食店の開業に「調理師免許」って必要ないんですね

求人情報を眺めていると、必須資格のところに「調理師」って書いてある求人がチラホラあって(社内食堂の求人とかにありがち)、「調理師あったら食いっぱぐれなさそうだなあ」「調理師資格ってどうやったら取れるのかなあ」と思ってWikipediaで検索。

調理師 – Wikipedia

調理師試験の試験科目は食文化概論、衛生法規、栄養学、食品学、公衆衛生学、食品衛生学、調理理論の7科目。調理師試験に合格し登録されると調理師免許証が交付される。免許の効力そのものは都道府県の調理師名簿に名前が登録されることで発効する。

調理師試験の合格者以外にも、学校教育法第57条に規定する者で、厚生労働大臣が指定した調理師養成施設を卒業した者には、無試験で調理師免許が与えられる。


なるほど。

調理師試験の受験資格(僕の場合)は、

  • 中学校卒業者
  • 飲食店(旅館、簡易宿泊所を含む)で2年以上の調理業務経験者。

となるので、調理師学校に通って1年後に取得するか、飲食店に勤めて2年後に取るか。どっちにしろ今からすぐには取れないのね。




飲食店を開業するのに「調理師免許」は必要ない

で、そのWikipediaに気になる記述が。

調理師 – Wikipedia

調理師は名称独占資格であり、調理師にのみ可能な業務というのは存在しない。飲食店を開業する際に必要なのは食品衛生責任者資格である。病院など一定以上の規模を持つ給食施設で設置を推奨されているのは栄養士あるいは管理栄養士で、実際は栄養士あるいは管理栄養士がいなくても献立を毎月医師に提出してチェックしてもらうだけでよい。調理師は栄養士の必要がない規模の給食施設、飲食店において「設置するよう努めなくてはならない」という努力義務規定が存在するだけなので、調理師にのみ許された権利は「調理師」を名乗ることのみとなる。


調理師にのみ許された権利は「調理師」を名乗ることのみ

なんだと……ってまあ、学校卒業しただけでもらえちゃう資格なんだからまあそうか。
「軽食喫茶だったら調理師免許は必要ないけど、レストランだったら必要」なんて思ってました。誤解だった。

「食品衛生責任者」は決めて保健所に申請し、6時間の講習とテストを受ければ誰でもなれる(調理師の場合講習は不要)し、飲食店を開くときには取り立てて資格は必要ないのね。届け出はたくさん必要だけど。


例えば、カフェでお菓子を作って販売(販売=お持ち帰りという意味。以下同じ)もする場合には「飲食店営業許可」以外に「菓子製造業許可」という許可が必要です。

パン屋の開業に必要な手続き 菓子製造業許可って何?

牛乳やヨーグルトなどの乳製品を販売するときは「乳類販売業許可」が必要ですし、アイスクリームを製造し販売するには「アイスクリーム製造業許可」が必要です。夏になって「暑いからアイスクリームを作ってテイクアウト始めようかな」とか、「自家製ヨーグルトが上手く出来たからテイクアウトのラインナップに加えようかな」と思ったとしても、その前に許可を得る必要があるというわけですね。面倒ですけど、乳製品やアイスクリームが傷みやすいことを考えると、妥当な話なのかなあとも思います。

ただ、なんかこう、「飲食店業許可パック」みたいなのがあって業態に合わせて1回の申請で済むみたいなのがあると便利なのにね。行政にそこまで求めても仕方ないですけれども……て、まあそれは行政書士さんの仕事か。上で紹介したページも行政書士さん作成のページですしね(飲食店営業許可取得パック31,500円とからしいです)。取得代行をお願いするかどうかはともかく、相談できる行政書士さんがいると便利かもなー