これまでに注目した商標がどうなったか振り返ってみた(「Perl」「東方プロジェクト」「北畠徹也」…など)

個人的にとても興味を持っている「商標」の話。利害関係が絡んで面白い話になりがちということもあり、気になる案件があったら友人に聞いたり自分で調べたりして参考資料としてまとめてきました。

Perlの商標の件について業界の友人に聞いてみた | mutter
「東方プロジェクト」の商標出願について | mutter
そんなことより本家「Perl」の商標、拒絶査定が確定してるぞ(不服審判中?) | mutter
テラ・インターナショナル社の「Perl」商標の取り消しが決定(商標取得自体はまだ) | mutter
「東方プロジェクト」の商標の話のまとめ(追記・訂正あり) | mutter

他の件で調べ物するついでに気になって久しぶりにいろいろと調べてみたらば結構状況が変わっていたので改めてまとめ直してみます。というわけでこの話題、恒例の注意書き。

この記事は商標に詳しい友人から継続的に聞いている商標に関する話を元に、調査を行ってまとめたものです。商標についてはとても興味を持っていますが僕自身は商標に関する仕事には就いていませんし、資格も所持していません。また商標の登録については特許庁の審判官の判断の占めるウェイトが大きく、また時代によって解釈も変わるので、ここに書かれた情報のうち、事実の確認でない、解釈を含む部分については法律上の正しさを保証できません。その辺ご了承の上読んでくださいまし。




Perlの商標はどうなった?

プログラム言語「Perl」の商標登録については過去に3件のエントリを書いています。

Perlの商標の件について業界の友人に聞いてみた | mutter
そんなことより本家「Perl」の商標、拒絶査定が確定してるぞ(不服審判中?) | mutter
テラ・インターナショナル社の「Perl」商標の取り消しが決定(商標取得自体はまだ) | mutter


現状について書いておくと、2012年3月2日付けで正式に商標登録されました。


Perl


一般名詞と混同しやすいと言うことなのか、図表付きです。


Perlロゴ

プログラム言語「Perl」の商標として主張する場合にはこの図表と一緒に表示して®を付与すればOKと。「Perl®」みたいなのは多分ダメじゃないかなー


ともあれ、出願情報をみるにつけ激闘ぶりが伺えます。


戦歴


「いや、こんなの普通だよ」と言われてしまうのかも知れませんが、度重なる拒絶を意見書と補足で粘り強く乗り越えていった姿が見えて、素直にすげーなーと思います。プロの仕事だなあ。


以前書いた問題はどうなった?

1番目の問題は、テラ・インターナショナル社(代表・北畠徹也)によって先に登録が行われていたこと。これについては先に記事を書いているとおりテラ・インターナショナル社の商標が取り消されたことで決着を見ています。

テラ・インターナショナル社の「Perl」商標の取り消しが決定(商標取得自体はまだ) | mutter

さらに上記エントリ内で書いている「あと、商標権者(代表取締役 北畠徹也)はいろいろアレなことやってるんでブラックリストに入れておきますね」の通り、ブラックリストに載ってしまったようで、どちらで検索しても登録も商願も全くヒットしなくなってしまいました。あらら。ご愁傷様でございました。


m9(^Д^)プギャー



2番目の問題は、既に同ジャンルで同読みの商標が登録されていたことです。


Pearl

このままではダメなんじゃないの…と思いきや、これこうなってました。


Pearl権利消滅

おおー。パナソニックさんとの間で何かやりとりがあったのか、あったとしたらどんなやりとりがあったかは中の人に聞かないと解りませんけれども、ともあれ懸案事項はなくなりました。よかったよかった。



東方プロジェクトの商標はどうなった?

異議申し立てが棄却されたことはここで書いたのですが、

「東方プロジェクト」の商標の話のまとめ(追記・訂正あり) | mutter

審判情報を見る限りそれで確定してしまったみたいです。
確定日は2012年6月1日。


東方プロジェクト審判


おうふ。

まー特に騒動にはなってないっぽいので、ZUNさん仰ったとおり何らかの形で丸く収まったのかも知れませんけどね。そのあたりは不明です。



まとめ

PerlのみならずApacheとかPythonとかの申請も却下されて良かったねという感じです。

なお北畠さんは「株式会社テラ・インターナショナル」、ブログTwitterを放棄してFacebook、Google+にて活動されておられるようです。本業は別にあるようなので命に別状はないでしょう。温かくしてお過ごし下さい。