「射幸心を煽る」って聞いても何のことだかいまいちピンときません。
「射幸心」とは「まぐれ当たりによる利益を願う気持ち」だそうなので(出典:デジタル大辞泉)、さも当たりそうなことを言って料金を徴収するとか、費用に対して異常に大きな賞金を提示するとかそういうことなんでしょうかね?確率を明示していれば良いのかな。きっと内規なんかで細かく要項が決まっているんでしょうけど、部外者から見るとどうもイメージが茫洋としていてはっきりしません。
話変わって今話題のソーシャルゲームにおける課金システムの話。
ブログや2ちゃんねるまとめやTwitterやはてなブックマークを眺めていると「なぜこんなものに資金を投入するのか理解出来ない」という意見を良く目にします。僕も理解出来ません。「資金を投入したヤツが馬鹿なんであって自己責任だろ」という意見も見掛けました。確かにそうかもしれません。こういうゲームに注力する人間はきっと僕らとはかけ離れた世界に住む、少し変わった人間たちなのかも知れません…
…いや、ちょっと待った。本当にそうなのかな?
ここまで考えてようやく気がつきましたが、この2つの話は繋がっているのですね?「『射幸心を煽る』とは何か?」という質問に明確に答えるのは難しいですが、「『射幸心を煽る』ことの何が問題か?」についての答えは簡単です。それはつまり「理屈に合わないようなシステムに対して限度を超えてお金を投入してしまうこと」です。
それに嵌まっている人はなにも僕らとは違う変人なのでは無く、彼らも僕らとそう遠くない場所に位置している。違いはあるゲームに興味があるかだけ。で、その彼らをそうした「理解出来ない行動に向かわせること」それそのものが「射幸心を煽る」ということなのですね。
そう考えたらとてもすんなり入ってきました。そしてそれがダメな理由も。「こいつのせいで私の大事なあの人があんなことに」的な。お酒とかギャンブルとかドラッグとかと同じようなとこですかね。ああ、そりゃだめだわ。
あんまり「射幸心を煽る」話に血道を上げすぎると、「ユーザーに課金させようとすることそのものがけしからん」みたいな話になってそれはそれで不健康です。個人的な意見としては「ある程度パッケージ価格に含めておいてよ(その方が解りやすいし)」と思いますけど、それで儲からないからこその有料オプションだったりDLCだったりするんでしょうし、iPhoneアプリのような小さいサイズの製品にとってはそこが生命線だったりもしますから、単純に課金のことだけを考えるのは間違っているんでしょうね。面白いゲームを継続して開発するためにも、ゲーム会社には儲かって貰わないと困りますし。その辺は上手いことやって欲しいと思います。
おまけ:わたくしとサカつくオンライン
大好きだった「サカつくオンライン」を止めてしまったのは、「月額で遊べる」→「有料オプションもあるよ」→「月額無料にするから有料オプションで強化してね」というようにゲームシステムが変わっていき、結果元の月額以上にそれこそ湯水のごとくお金を注ぎ込まないと上のディヴィジョンに上がれないようなゲームになってしまったからです。今までの頭をひねった結果で順位が付いていた、あの大好きなゲームはどこに行ってしまったんだ。戦術や人事やその他諸々の活動をベースにしたあのアクティブなオンラインシミュレーションはどこに。
そんなわけなのでサービスが終了になっても特に寂しくは思いませんでした。まぁサカつくオンラインにあった「射幸心」成分は「カード入り福袋」「選手発見率アップ」(名称はうろ覚え)くらいだったので、はっきり言って本稿とは全く関係がありませんが、ちょっと思い出しちゃったので。そんなサカつく面白いわけないだろ。アホか。