インプレスのコンプガチャの記事が釣りタイトルで微笑ましい件

先日読売新聞が報道して大きな反響を呼んでいるいわゆる「コンプガチャ」の規制問題ですが、インプレスが「消費者庁が報道否定」という記事を上げましてちょっとした話題になっておりやす。


消費者庁が報道否定――SNSのコンプガチャ問題 – ケータイ Watch

■ 報道を真っ向から否定

 問われるのは、景表法における「絵合わせ」行為だ。表示対策課の担当者は、「会見で長官が指示した通り、検討が始まった段階。中止要請や措置命令などは何も決定しておらず、そういった考えもない。事業者名を出したこともない」とする。

 担当者は、検討結果を公表するかどうかも現時点では未定であるとし、報じられた件について、「記事内容とは異なる」と否定している。



「真っ向から否定」とかいってかなり力入れてるのでさぞかし何か掴んだかと思いきや、記事中に出てくる「消費者庁表示対策課の担当者」が、

  • 「コンプガチャ」が景品表示法違反に該当するか検討を始めた
  • 現時点で中止要請や措置命令を行う事は決まっていない

と書いているだけ。特に否定もしていないし、肯定もしていない。




この辺は「肯定も否定もしない」官僚の発言をどう解釈するかという話であって、同様に消費者庁に取材を行ったブルームバーグはこんな感じの記事に仕立ててます。


DeNAとグリー株がストップ安、景品表示法違反との報道-東京市場 – Bloomberg

同庁表示対策課の片桐一幸課長はブルームバーグ・ニュースの電話取材に「コンプガチャは景表法違反の方向で検討している。近く見解を公表する」と述べた。コンプガチャ中止の要請先は未定としている。



記事全体の流れとしては「どうやらやばいことになりそうだぜ」的なふいんきなんですけど、「消費者庁表示対策課片桐一幸課長」が言ってることをまとめると

  • 「コンプガチャ」が景品表示法違反に該当するか検討している
  • 中止要請や措置命令をどの業者に対して行うかは決まっていない

という話で、まぁコメントの骨子としては「消費者庁表示対策課の担当者」と別に大してかわんないという。違うのはそれにどう肉付けしてテキストにするかであり、インプレスは「推測であって確定した話じゃ無いだろ」っていう色だし読売新聞は「やるってことだぜこれ」という感じの色が付いてるって言うだけで、実際のところは検討しているっていうんだしどうなるかは今後をお楽しみにー程度の話ですよねーという。



個人的な感じでは、このコメントに「報道を否定」という見出しを付けるのはちょっと苦しいと思います。将来本当になる可能性はありますけどね。ぶっちゃけて言えば「取材されてもそんなことはっきり言えるわけなんか無いだろ」というのを官僚的な言葉遣いでやんわり言われただけですよね。ライターさんは業界長そうなので、そんな事情を解った上であえて記事タイトルを付けたんだと思いますし、こんだけPV稼げたんでまぁ目的は果たした的なことでしょうかね。個人的には嫌いですが、そういう職業ってのはあります。そう考えるととっても微笑ましいですし、これで何か美味しいものでも食べていただければと思います。


お疲れさまでした。解散。




追記(22:06)

情報の錯綜する状況を見てCnetが消費者庁に追加取材。曰く、

「コンプガチャが景表法違反の方向で検討」は事実–消費者庁がコメント – CNET Japan

CNET Japanでは改めて消費者庁表示対策課に取材したところ、次のような回答を得た。

 「(コンプガチャは)クロじゃないか?という方向で(考えている)。現在は検討中であり何一つ決まっていないと言うのが一番正しいが、この問題の背景は消費者が多額の課金をしているところにある。ガチャ全部が景表法違反ではないが、コンプガチャについては、景表法の絵合わせに当たるのではないかという問題意識がある。それについて消費者の被害があり、『違反であればなくす』という心づもりがある」(消費者庁表示対策課課長の片桐一幸氏)



基本的には変わっていないんですが、決まってるところと決まっていないところをきちんと言葉にしてみましたという感じでしょうかね。官公庁の「問題意識を持っている」みたいな言葉は要するに「何とかしてね」という意味だと思うので、まぁそういうことなのであろうなぁという気がしますが、まぁどうなんすかね。わかりませんね。