円高が78円台半ばまで急進してた



ちょっと目線を切ってたおかげで気付いてなかったんだけど、ドル円が78円半ばまで進んでた。
このところずっと80円台を維持してたので、この数円の値動きというのは個人的には衝撃だったのだけど、
Twitterで書いたらそれを読んだ友達から、醒めた反応。

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@nobodyplace 大きなニュースにも、ならなくなりました。2011年7月23日 1:8 via Echofon



僕にとってはニュースがどうとか別にどうでもいい話なんで、
友達がなんでわざわざ僕宛メンションでそれを書いてるのかいまいちピンと来ないけど(引用ならともかく)、
ニュースで余計な不安を煽るくらいだったら報道しないでおいてくれた方が良いのかも知れない。

今の円高の構造をニュースで喋ったところでお茶の間にはつたわらんだろうしなぁ。



経済関係のニュースを鵜呑みにすると、今回の円高はギリシャ救済の影響らしい。
ギリシャで部分的にデフォルトを行う経済政策が発表されたことで、
ユーロの先行きが好感されて、ユーロ高ドル安に。
その影響で円に対してもドルが売られて円高ドル安に。

お茶の間向きじゃないってのはここのところで、
2国間の為替レートなんだから日米間の事情で決まれば解りやすい。昔は確かにそうでした。でも今はそうでもない。
「桶屋が儲かる」話みたく、世界の事情をつき合わせてようやく説明できるという気持ち悪さ。
外国為替市場って言うのはそもそもそういうもんなんでしょうし、
もしかしたら、それだけ日本の経済的な地位が下落してると言うことなのかも。
現実的に考えて、アメリカと欧州が抜けてて、その次を中国が追っていて、
日本は離れた4番目みたいな感じだもんなぁ、今や。

「発展途上国の人々は先進国の事情でレートが少し変わっただけで自国が飢えるのを知っている」
という感じのことを読んだのは何の小説だったか、村上龍だったかな、と思うけれど、
いまや日本もその例外ではなくなっていて、凄い不安定さを感じます。
日本が関係ないところの事情で日本のレートがつらくなるとか何という理不尽。
もちろんそれが日本の経済縮小のせいなのか、為替市場そのものの不安定さなのかはわかりませんけど。



78円台半ばというのがどれくらいの水準かというと、
ここまできっちり行くのは15年ぶりくらい。
(今年の3月にも1回その水準になってるけどアレはほら、急騰急落だったから)

今がどういう状態かはこれ見たらわかるんじゃないかなぁ。


グラフは直近30年間のドル円グラフ。
今回の水準は「一瞬円高に振れました」とかそう言う事じゃなく、
3年くらい掛けてゆっくりと進んでいったこと。流れと言ってもいいかも。
一時的な事じゃないから、この状況は今後しばらく、少なくとも数年は続くよね。

だから日本社会は「我慢してこの円高を乗り越えよう」ということではなく、
このレートで上手くやっていくためにはどうしたらいいかという方向に進まざるを得ないし、
国内で消費する物資を外国で生産して持ち込むというスタイルがますます進むだろうし、
外注先が外国なんてのも増えるんだろうなぁと思う。経済的な意味で。

僕ら輸入業は楽になるけれど、
輸入しても買う人が誰もいない社会になっちまうかもね。



ただ単に「円が2円高くなった」という話題ではあるけれども、
パッと見ただけでもそんな感じのいくつかの要素が詰まった話であって、
もの凄く諸行無常な感じがします。ええ。

もちろん、個人的に想う心象風景というだけなのかもしれませんけどね。