それにしてもその時は凄い違和感を感じたので書いておきたく。
最近たまたまデパートをいくつか回る機会があったのだけど、その時に凄く感じたのは、
この客数にこのフロア……デパートって超無駄じゃねぇ?だって平日の紳士服売り場とかってさ、超だだっ広いフロアに売り場が十いくつあって、そのうち今現在接客をしている売り場って本当にわずかでほとんどの人は客を待ってぼーっとしてるか売り場のメンテをしてるか。活気なんか微塵もなくて、ひたすら穏やかで何もない空気が流れてる。もしかしたら東京始め大都市圏では違うのかも知れないけども、地方の百貨店、少なくとも京都と静岡はそんな感じだった。まだ、静岡の方が活気があったかな(その分繁華街の商店が厳しいのか?…ってそうか静岡の方は週末だった)。
「無駄」だと感じるのは、賃料とか不動産的価値で売り場を見た場合の話。
小売業やってたらどうしたってそういう視点になると思うんですけど、百貨店って、その日の売り上げを売り場面積で割って考えたら何というかもの凄いコストがかかってると思うんですよね。同じような商売を自分でやることを考えると、例えば京都の中心部で5メートル四方の店舗を借りたら賃料はだいたい15万くらい(上下はあると思うけどいくつかの不動産屋で検索してみた感じでは)。光熱費や従業員一人の生活費を考慮すると1日平均15,000円は「利益」が欲しいところ。利益率40%とするとその利益を作るのに必要な売り上げは1日平均37,500円。週末に平日の3倍の売り上げがあるとしても24,000円。これでようやく店が維持できる。
あの状況でこの売り上げ…作れるのかなぁ。単価が高いから1日3人くらい売れればOKなのか?
もしペイできないなら売り場面積圧縮して残りをフロア貸しとかした方が儲かるんじゃないの?
…とまぁそんなことを思ったんだけど、そもそもの話で言うと、売り場毎に細切れにして採算を計算するのがデパート的常識から外れるんでしょうね。色んなブランド、色んな商品を取りそろえておいて、その中を顧客が商品を見ながらぶらぶらして、地下から最上階まで通した中で何らかの利益をもたらしてくれればそれでOKっていうのがデパートで、僕にとっては無駄に見えるフロアもぶらぶら暇を潰したい人たちにとっては必要な要素なんだなぁという。そのためには様々なブランドの様々な店舗が必要だし、それがデパート全体の「華やかさ」の演出のために一役買ってるんだろうと。ブランド側も店舗を自分で確保するよりデパートに売り場を儲けた方がリスクが低くて済むし。
うん、理屈としては解らなくもないわ。
正しいかは解らないけど。
でもやっぱり、僕に必要なのはデパ地下だけだなぁ(苦笑)
がんがんデパートが潰れてる現状を見ると、要するにそういうことだと思うのだけどね。うん。