pixivのユーザビリティへの違和感はきっと文化の違いなんだろうなぁ

お絵かきSNSといえばpixivでありまして、絵描きさんやその絵描きさんの絵を見るのが好きな人ならばみんな知ってるpixivだと思うのですけど、サービスを知ってる人の総数とよく利用する人(例えば毎日1回はログインする)の割合を比べると、多分mixiなんかのそれに比べて随分低いんじゃないかと思うのですよね。あくまで想像なので「いや、そんなこと無いよ」と言われたらそれまでなんですけど、や、でもそうだと思う。

なんでそうかというと、pixivを使ったことがある人なら誰でも解ると思うんですけど、pixivには更新情報を提供するシステムがないんですね。他のユーザーをチェックする機能として「お気に入り」(相手の承認なしにリスト化していける機能)と「マイピク」(相互の承認が必要なフレンド機能)とがあるんですけど、どちらにせよ誰が更新しているかはログインしてチェックしないとわかんない。

[pixiv] お気に入りユーザー新着イラスト




Webサービスとして一般的に考えた場合、訪れるユーザーが多ければ多いほど広告効果は上がるわけで、更新情報を提供したり、ニュースなど動きの大きい解りやすい情報を掲載することで訪問ユーザー数を増やすことを志向します。ニコニコ動画なんかかなり解りやすくて、ありとあらゆる手段でユーザーをサイトに誘導してます。例えばこんな感じ。

  • 1日1回更新情報をまとめてお知らせする「ニコレポ」
  • 「公式ブログ」による動画紹介
  • ログインなしで閲覧可能な「ランキング」
  • Twitterなど各種サービスとの連携
  • APIを公開することで作成された各勝手サービス
  • 各種RSSの発行

他にも大会議とか、外部プレイヤーとか、いろいろと。



確かにニコニコ動画はよく頑張ってる方だと思いますけど、でもWebサービスの方向性としては常道。「そうだよね」って納得できるような話。でもpixivの方は全然そうじゃなくて、極力外界から隔絶するような方針。試したことはないけど、スクレイピングなんかについても結構厳しいらしく、例えば画像だけを収集するなんてのはかなり難しいという話をどっかで読みました。RSSはもちろん配信されてないし、APIも公開されてない。RSSのヘヴィユーザーである僕からすれば、別に画像を載せる必要はないから更新情報だけでもRSSで配信してくれよとか思うんですけど、そんなことはしない。

ある意味尊敬に値するブレなさ加減なんですけど、結局こういうのは、「絵描き」界隈にある外界とは隔絶しておきたいという空気感、検索避けとかパスワードロックとか、そういうものを色濃く反映した結果なんでしょうな。広く情報公開して多くのユーザーを集めることが出来たとしても、それまでそこを利用していたコアユーザーが流出してしまっては意味がないわけで、まずコアユーザーを大事にしながらそれにアクティブユーザーを上乗せする形で徐々に発展していくしかないという。もし自分がビジネスの設計担当だったら、なんかもうイライラしそうな気がしますけど(苦笑)

でもそれも文化なのかなー。プレスリリースを見る限りでは、営業的には順調にビジネスしてるみたいですしね。


ちなみにpixivのRSSは…

pixivの情報をRSS化する取り組みについては検索するといくつか見つかるけど、結構無理しないと出来なさげ。APIもoAuthもないから、ログインフォームにIDとパス投げてログインして、URL決め打ちのページをスクレイピングして一覧取得してRSSにしたてる的な。コード自体はすぐ書けそうだけど、公開できるものにはならないだろうなー