プロ野球のサムライたち (文春新書) 小関 順二 文藝春秋 2004-06-22 売り上げランキング : 418211 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
2004年刊行のこの本は、過去のプロ野球における名選手にそれぞれスポットを当ててその中にどんなドラマがあったかを描き出している本。言ってみれば「偉人伝」みたいな感じ?執筆当時(2004年開幕前)監督を務めていた選手を中心に様々なエピソードを集めたもので、軽い感じで読めます。小関さんならではだなと思うのは、取り上げた人物の評価を行う際にデータを列挙することを忘れないところ。ストップウォッチを片手になかなか計られることのないデータをデータとしている小関さんらしい、客観性に富んだ評価の仕方だと思います。
ただ…それだけで小関さんを「データで選手を評価する人間」とするのは少し短絡的。
そのことに気付きました。
小関さんの文章と言えば今までは文字数制限のあるコラムだけで、長い文章を読むのは初めてだったんですが、読んでみて初めてわかりました。小関さんという方は、プロ野球や選手、その他関わる人たち全てに対して非常に「主観的な想い」を持っている人なんだと。簡単に言えば「愛情」と言うことになるのだろうけど、時々それも超えるような本当に感情的な想いが強く、でもだからこそ、評価するときには割り切って評価できるように客観的な視点を持っているでしょう。というか、もしそれをしなかったら、きっと「好き」の感情が溢れすぎてしまうんじゃないだろうかなぁ。
2004年のシーズンを見据えた出版だったこともあり「これ以降どうなるか」というような記述に古さを感じてしまうのが惜しいけれども、それを踏まえても読みものとして面白い。今新品で買うのはきついけど、ブックオフで300円くらいだったし、マーケットプレイスでは1円になってるので、興味のある方は読んでみたらいかがでしょうか。プロ野球好きならきっと楽しめると思います。
登場する人物
- 落合博満
- 江夏豊
- 星野仙一/田淵幸一/山本浩二
- 堀内恒夫
- 野村克也
- 鈴木啓示
- 福本豊
- 村田兆治
- 伊原春樹
- 清原和博
- 東尾修
- 伊東勤
- 掛布雅之
- 江川卓
- 若松勉
- 山下大輔
- 梨田昌孝