それがこのたび無事合意に達しましたのでご報告させていただきます。
なるべく感情的にならないようにまとめるつもりですが、
もしお見苦しい点がありましたらご容赦下さい。
つーわけで、(なるべく)簡単に。
揉めるまでの簡単な経緯。
- 2004年3月20日入居。
- 2004年5月頃、ユニットバスの修理の件で工務店を紹介される。
- 2008年3月19日退居。
- 2008年4月11日付 オーナー会社より敷金に関する明細が郵送で届く。
- 即日、管理会社にクレーム。
- 2008年4月16日京都市市民生活センターへ相談。
- 同日午後、京都市市民生活センター内無料法律相談にて相談。
- 同日改めて管理会社へ連絡。
- 2008年4月20日上記意見書を文書として管理会社に提出。オーナー会社へ手渡すよう依頼。
- 2008年5月9日管理会社からの連絡がないため管理会社へ連絡
- 同日オーナー会社へ連絡、既に送信済みの内容を伝え明確な請求理由を提出できないのであれば速やかに全額返還するように求める。
- 2008年5月11日着信、かけ直すとのこと。
- 2008年5月28日着信、休憩時間を待ってこちらから連絡。
- 2008年5月31日最終的な明細到着/精算完了予定。
これだけ書いてもよくわからないと思いますが、とりあえず概要。
簡単な説明
1. 2004年3月20日入居
契約時に話をした不動産会社はある程度大手でしたが、その物件に関しては下請けだったようで以後特に接点なし。
敷金は150,000円、特約事項は特にありませんでした。
紙1枚だけの比較的シンプルな契約書。
物件はまぁ良かったんですが問題点が1つ。
ユニットバスの風呂釜が入居時点でひび割れていました。
当時1階に入居していた管理会社に連絡を取り確認してもらいました。
修理する方向で、とのこと。
管理会社を信用して写真は撮影していません(失敗その1)。
2. 2004年5月頃、ユニットバスの修理の件で工務店を紹介される
段取りつけて直してもらってくれという感じで、電話番号だけ投げられる。しかしこちらも仕事で忙しく日程が折り合わず、
結局工務店との音信もそのまま途絶えてしまいます(失敗その2)。
(何で修理の斡旋を俺がせにゃならんのか今でもわからんけど)
以後、ユニットバスは退居までそのままの状態で使用しました。
仕方がないから水槽用のボンドで穴埋めしつつ。
(比較的簡単にはがせるので原状回復もできるという意味で)
3. 2008年3月19日退居
その時点で1階に入居している会社は既に変わっていましたが、立会人は入居時の管理会社。てか、本業はインテリアデザインだったと思うんですが副業でしょうか。
立ち会い後の見積書に、支払い振込先と引っ越し先の連絡として署名。
ユニットバスの件についてはオーナーに報告するがおそらく払わずに済むだろう、とのことでした。
なんの保証にもならないのにそれを鵜呑みにして大して考えもせず(失敗その3)。
4. 2008年4月11日付 オーナー会社より敷金に関する明細が郵送で届く。
明細の内容は以下の通り。- 壁紙張り替え代(全面)64,000円
- ハウスクリーニング 20,000円
- ユニットバス工事費用(工務店→オーナー会社への見積書付き) 60,900円
- 退居日までの光熱費 5,329円
以上より、不足分4,429円を指定の口座まで振り込むこと。
壁紙の張り替えは全額請求されているし、
ハウスクリーニングはよく見たら見積書に薄く『印字』されているし、
(印字=一律請求であって状態を見た上での請求ではない)
ユニットバスは工務店の見積もり全額が請求されてる!
5. 即日、管理会社にクレーム。
基本的な線としては、私たちは関係ない、という立場でした。請求はオーナー側の意向であって意見があれば先方に伝えますがどうなるか…
とにかく私に責任を押しつけられても困るんでねぇ…とのたまう管理会社担当。
いや、責任は負えよ。おまえだろ。
ユニットバスについては、放置していた責任が僕にあるので請求全額支払え、との回答。
さらに『これが全額というわけではなくオーナー側も負担している』と。
しかし、同封されていた工務店からオーナー会社への見積書および、
工事内容に関する明細を見るに、どう見てもきてる請求額が工事費用全額。
その額が僕に請求されていて、じゃあ貸し主は残りのどこを払うんだい?という感じ。
ありのままに話すぜ!“お金が返ってくると思ったら取られていた…”
…というポルナレフ的な驚き…以上に、
その負担に至るまでの理屈がどうにも理解できなかったので、
市民生活センターに相談した上で改めて回答する旨を伝えて電話を切りました。
6. 2008年4月16日京都市市民生活センターへ相談。
相談員の意見絶対ではなく、あくまで僕が自己責任で行動すると言うことを理解しつつ、以下のようなアドバイスを受けました。
- ハウスクリーニング、壁紙について全額請求されることはないとのこと(『原状回復を巡るトラブルとガイドライン』を論拠として)。
- もし折り合いがつかないようなら、少額裁判もありますよとパンフレットをいただく。
- ユニットバスの責任範囲については判断しかねるので、法律相談できいてみてはいかがかと勧められる。
あの人がこう言ったのに!といわれかねない立場で、
つっこんだことは言いにくいだろうと思うんですが、
比較的親身になってアドバイスしてくれました。
公務員ってすげー。
7. 同日午後、京都市市民生活センター内無料法律相談にて相談。
勧められたとおり、無料法律相談にもお世話に。法律という後ろ盾があるからか職業柄か、相談員に比べると自信が見え頼りになる感じ。
(といっても無料なんですけどね…すみません、先生。)
それまで、ユニットバスの毀損について誰に責任があったのかに、
僕も管理会社もこだわっていたのだけど、弁護士の先生の見解は以下。
- まず、ユニットバスは入居時に壊れていて取り替える必要があった。
- その時点での費用は貸し主が負担すべき。
- 現在においても同様に取り替える工事を行う予定であること。
- 結果として、僕の行動において負担が増加することはなく、支払う義務はないのではないか。
確かに放置した責任は僕にあります。それは認めます。
でもそれと修理費用を支払うこととは別なんだよと。
ちょっと目鱗でした。あ、放置関係ねーじゃん。
つまりは貸し主にすれば、修理費用の支払いが4年分延びた上に、
上手くいけば丸々浮きそうだっていうことですね。わかります。
いや、わかんねーだろ、それは。
僕の責任はその責任で生じた費用に対して支払う義務を生むわけだよな。当然。
この場合、(この相談時点で)僕の責任が費用の増大を生んでいないわけだから、
その請求に応じるわけにはいかないですね。
強いものに巻かれたというか、
強い人を頼った感があって大丈夫だろうかと思ったけれども、
敷金返還の原則に則っても筋が通っているように思われたので、なるほどと。
8. 同日改めて管理会社へ連絡。
自分なりに調べたことと、相談とをふまえて、伝えた見解は以下の通り。- 壁紙の全額負担には応じられない。
- “クリーニングで除去できる程度のたばこのヤニ/クロスの変色、経年劣化については貸し主負担とする”(原状回復を巡るトラブルとガイドラインより)
- ハウスクリーニング費用は支払えない。
- “通常の清掃が行われていた状態でのハウスクリーニング名目での支出は、貸し主負担とする”(同上)
- ユニットバス工事費全額は支払えない。
- 入居時にひび割れが生じていたことは管理会社が確認している。その状態のまま使用したことで負担が増えているのであれば、それを明確にして欲しい。その増大分については支払うが、工事費用全額の負担はできない。
- 管理会社からは『全額を借り主に請求しているわけではない』との回答があったが、オーナー会社宛の工務店の見積書と同額が請求されている現状、その理屈は信用できない。全額でないのであれば、正確な見積もりを求める。
できれば上記意見を書類としてまとめてFAXしてくれないか、とのこと。
そのようにする旨を伝えて電話を切る。
9. 2008年4月20日上記意見書を文書として管理会社に提出。オーナー会社へ手渡すよう依頼。
10. 2008年5月9日管理会社からの連絡がないため管理会社へ連絡
相変わらず、解決する意志は全くなし。もう縁が切れた物件でいつまでも揉めていたくないという雰囲気ありありなので、
駄目だコイツ…早く何とかしないと…ってことで直接オーナー会社と連絡を取ることにしました。
連絡先と担当者を教えていただく。
なお、この時点で5月末までに解決しなければ少額裁判起こすことに決めました。
自分の中でのデッドライン。
まず内容証明を送った後に、京都地方裁判所へ出かけていくということで。
11. 同日オーナー会社へ連絡、既に送信済みの内容を伝え明確な請求理由を提出できないのであれば速やかに全額返還するように求める。
箇条書き何でわかりにくいですが、基本逆ギレ調です。やりこめられると我慢できなくなるタイプの女性(30代くらい?)みたい。
なんかもう非常に舐められてますね、僕。
以下、先方の主な迷言。
『原状回復を巡るトラブルとガイドライン』は法的な拘束力はなくて絶対ではないですからねー裁判でも同じことを言うんでしょうか。聞いてみたい気もします。
放置したあなたの責任はあるでしょう!責任はあるかもしれんけどそれと負担額の関係を聞いていたので。
『責任がある』でごり押しするのは結構やばい人たちの取る手法ですよ。
うちではハウスクリーニング費用をもらうことになってますからいや、そんな契約は結んでいませんから。
どんなオレオレルールだと小一時間…話してる暇はないのでスルー。
ハウスクリーニングを請求する理由について明確な回答が得られるまで質問。
あなた本当に掃除なんかしてたんですか!してないんじゃないんですか!失礼千万です。
もうこの辺から、先方の話は支離滅裂でして、
換気扇が油で汚れることもあるでしょう!(それは普通です。退去時に入念に掃除したし)とか、
部屋が汚れていたってことはないんですか!(どの辺が尋常じゃない汚れなのか例示せよとどんだけ)とか、
若い男性は掃除なんてしませんよ!(おまえのつきあってきた男はどんな男なんだ)とか、
もうね、必死になって抗弁。
なんかもう話にならなくなってきて、怒る気も起こらないので、
言ってくること1つ1つに対して矛盾を指摘してたら、担当者交代。
もう少し年配の女性で、言葉数で丸め込んで押すタイプっぽい。
後日連絡しますと先方が言って、この日はここまで。
その後、18時頃仕事中の携帯に着信があり、留守電に掛け直す旨。
『私出張ですので、そちらから携帯のほう掛けてくださってもかまいませんが』
いやいや、こちらは急ぎませんから掛けてくださいね。
12. 2008年5月11日着信、かけ直すとのこと。
13. 2008年5月28日着信、休憩時間を待ってこちらから連絡。
明日29日は仕事が休みなので、最終決戦かなと構えていたところに着信。ちょうど休憩直前だったので休憩を待って折り返し連絡しました。
以下、先方の主な言い分です。
担当は年輩の方の女性。
クロスはロールになっており、たとえ10センチでも工事となればそれなりの費用が生じる。全額負担すべき。これについては、まず、経過年数を考慮していないことを指摘しました。
原状回復は新品取っ替えではないわけなんで。
仮に全面張り替えとなっても、全額負担にはならないんです。当たり前ですけれども。
その経年劣化の度合いについて議論するならともかく、いきなり全額はねー無いでしょう。
また、毀損部分が明確にあるとして。
その最低単位について支払ってくれと言うのならわかります。
なので、負担割合についての詳細な見積もりを出していただければ、
こちらも納得できますし、お支払いしますよと返答。
クロスのどれくらいが借り主の責任かは申し上げられない。まぁたしかに正直、正確に算出するのは難しいだろうなと思ってました。
でも僕が求めていたのは、意図の方なので。
面積とかお金とかではなくて、すべからく概算で見積もって、
じゃあこれだけねっていう計算方法に異議を申し立ててるわけであって、
(これについては工務店の見積もりもなければ、交換箇所の開示もない)
請求額が試算『できない』という言い分は詭弁でしかない思うんですよね。
ハウスクリーニングについてはこちらで負担します。ま、当然です。
よろしくお願いいたします。
ユニットバスに関しては言った言わないで続けていても埒があきませんのでもう結構です。この発言には正直カチンときたし、つっこみどころも満載なのだけど、
問題の解決が最優先であり、この発言が示すことは理想的な解決にかなり近いので、
言葉を飲みました。
まぁ、書いちゃうけど。
たとえばこんな感じ。
- 元々毀損していたのは事実。そこに、言った言わないの問題はない。
- 負担を明確にしていないのは貸し主の方であり、そこにも言った言わないの問題はない。
- そもそも、負担が明確であれば支払うと言っているのであって、クレームをつけたかったわけではない。
- 『今日のところはこれくらいにしといたるわ』
まー早い話、分が悪いけど黒星つけるわけにはいかないし、
なんですねこっちが引きましょう、大人ですから。みたいな。
優越感ゲームですか?
あと、この女性と話をしていて思わず笑っちゃったのは、
京都の不動産管理会社の自意識というか、俺ら京都だもんね、
他でどうしてるかなんかしらんもんね、という精神。
クロスの全額請求してきたときに、法律/判例/ガイドラインを念頭に、
そんなもん常識で考えてあり得ないでしょ。と思わず発言したら、担当の女性はここがっつっこみどころ!と思ったのか、
嬉々として食いついてきまして、出た言葉が、
すみません、どこの出身ですか?京都出身ですか?
京都では…ちょwww
どんだけ俺ルールで場を仕切れば気が済むんだよwww
いま、日本のルールを作っている三大要素、
つまり法律と判例と行政指導に基づいてしゃべってるんであって、
そこに京都の常識がどうとか出てくる余地はねーーよww
(ガイドラインは、それら3つを統合して作られた指針)
休憩も長くはないしそんな馬鹿話につきあってられないんで、
続きを聞くことはやめておきましたが、多分続き聞いたら痛かったでしょうね。
僕は京都人は嫌いではなく、むしろ腹黒いところも皮肉っぽいところも好きですが、
きちんとした話をしてるところで、京都だからとか関西だからとか、
もっというと日本だからとか言い出すやつはどうかと思います。
なんか嫌な京都人を見てしまった気がして、
なぜか、京都人の友人に申し訳ない気分でした。
まとめのようなもの。
最後、かなり茶化すような書き方になりましたが、正直な話それも解決しかたからこそ書けることで、
期間中は落ち着かず胃が痛くなったことも。
弱っちいんですよ、基本的に。
ただ、僕が言いたかったことは、金なんか払うかボケ!ではなく、
請求するのであればきちんとした理由に基づいてください、
それが納得できればお預けした敷金を流用するのもかまいませんよ、
ということであって。
それに対してその部分を終始誤魔化そうとし続けたオーナー会社の対応には、
心底がっかりでした。
最後だって、なんの脈絡もなく折半だしね。
それだって僕としては1つも納得がいかないけど、
それはもう仕方がないかなと。
ユニットバスの件についてもっと適切に対処していれば、
ここまで面倒なことにはならなかったし、
退居時のやりとりについても相手を信用しすぎてたがために、
主導権が相手に渡って土俵際まで追い詰められてしまったわけで、
そもそも立ち会い時点でもっと異議申し立てをしておくべきだったと。
明らかに要領が悪く、間が抜けていて、油断していました。
そういう意味で、壁紙の折半は勉強代かなと思います。
勉強ついでに少額裁判まで行っても良かったんですが…
でも面倒が回避できて良かったと。
京都では、大家と管理会社の力が伝統的に強く、
特に自覚することなく多額の支出を借り主に求めてきます。
高額な保証金、礼金、その割に別に安くもない家賃。交流もないのに町会費。
もちろん、中には素晴らしい大家さんもいて、
僕が以前住んでいた左京区のマンションのオーナー夫婦は本当に良い人たちでした。
マンションそのものも、そこに住む店子の僕らもすごく大事にしてくれて。
でも…残念ながらそういう人は滅多にいません。
オーナーが法人だと特に。
『物件』という選択肢が限られた状況で、
そうした環境に強く当たるのはなかなか難しいですが、
払えないものは払えないと強く言うべきかなと。
学生まで含めた一人一人が少しずつでも言っていかないと、
向こう100年変わらずに行きそうな気配です。
その気になれば革新的になれるのに、何も言われない限り超保守で行こうとする。
そんな街です。ここは。
退居と入居その両方で、同じような契約書にない過剰請求で揉めましたが、
どんなに浅ましいと思われても(思われるだろうと感じても)、
妥協できないポイントはあるというのを学びました。
マジギレしながらも着地点を見失わずに冷静に対処できたことを含めて、
少しは、成長できたかもしれません。