何でサーバが海外だと大丈夫なんだろう?(その2)


こちらで言及されているのを見かけて行ってみましたらば、
この件について調べてくださっていました。
なるほど!

検索サイトのサーバを海外に設置すれば著作権法違反にならないのはなぜかという記事を読んで、興味があったので調べてみました。
 


ぐだろぐの筆者さんのまとめによると、

  1. 著作物をどの国で利用するか(利用している国の著作権に関する法律に従う)
  2. 公衆送信権の扱いについて(送信国/受信国どちらの著作権に関する法律に従うかがはっきり決められていない)

辺りが、この件のポイントであろうとのことです。

日本においては、インターネット専門の法律というのはなく、
主に通信全般に関する法律を流用しているんだと思いますが、
関連各省庁の運用基準が『発信国法主義』をベースにしているので、

  • 日本にサーバを置くとグレー度が濃くなる
  • 海外にサーバを置くとグレー度が薄くなる

ということかと。

だから海外にあるサーバが発信している情報は、
そのサーバが置かれている国の法律に従うわけだ。
たとえばアメリカにだって著作権に関する法律はあるんだし、
あらゆる著作物がOKというわけではないけれども、
公正な利用であれば著作権者の許諾無しに利用できることが認められているようだ。
(フェアユース規定と言われるらしい)

なるほどね。



日本でもこのことに関しては既に議論されているらしく、
実際に法案の提出も検討されているようだけど、

著作権法改正へ–検索事業者のデータ利用、著作権の許諾なしでも可能に:ニュース – CNET Japan

こちらで指摘されているように、
ではそのフェアユースがどんな基準(必要要件)で運用されているのかについては、
詳しい説明がなく、もし間違った運用をされたらどうなるのかについてはよくわからない。

検索エンジンと著作権法違反 – fusshiiの日記(旧アメリカ留学備忘メモ)

さらに関連エントリによると、アメリカでも結局その要件は曖昧で、
決着は裁判と言うことも少なくないみたいだ。

フェアユース万能論を質す – fusshiiの日記(旧アメリカ留学備忘メモ)

んー日本でそこまで巻き込んだ運用が出来るかなぁ。
細則は裁判で決めるみたいな。



話を元に戻すと、

今のところは検索エンジンにおける著作物の取り扱いが、
著作権法に違反しているという判断なので日本にはサーバを置けない、と。

一方アメリカでは、公正な利用であるとの要件を満たしていれば罪には問われず、
そのサービスに関するサーバをアメリカに置けば、
発信国法主義に則って、そのサーバを利用する行為はアメリカの法律に従うことになる。

結果、そのサービスを日本で運用したとしても罪には問われない…


…という感じですか。うーむ。

アメリカの運用も決して明快なフリーってわけでもないんだなー
ネット社会は玉石混淆だから、どうしたってそういう局所対応は必要になると思いますし。
仮に日本で検索エンジンサーバが置けるようになったとしても、
よほどその基準を明確に示さない限り(極端に言えば認可制)、
たとえばYahoo!Japanが今の状況を変えたいと思うかは微妙ですね。


ちなみに、ぐだろぐというのはいわゆる匿名ブログサービス(増田みたいな感じか)らしいので、
どなたが書いてくれたかは分からないんですが、
エントリの筆者さんに感謝。

ありがとうございます。