コーヒーが廻り世界史が廻る―近代市民社会の黒い血液 (中公新書) 臼井 隆一郎 中央公論社 1992-10 by G-Tools |
この本は、以前、水曜どうでしょうのうれしーが日記の中で紹介していた本。
(水曜どうでしょうD陣日記アーカイブ: 2007年3月16日(金))
コーヒーの原産地は東アフリカで、
そこからイスラム文化に乗ってヨーロッパにもたらされ、世界中に広まった…という話なのだけど、
(そうか、モカってイエメンの港町の名前だったんだ…)
それが、次第に力を持って、
商業や植民地、ひいては戦争の一因になっていく様は、
『いや、コーヒーが全てではないだろう』
と思いながらも、同時に、
ヨーロッパ人にとってのコーヒーが、どれだけ重要だったかも表していて、
凄く興味深い。
本の中で、様々な国の人達が描写されているのだけど、
例えばコーヒーの伝わった初期は、
多くのコーヒー・ハウスが建ち並んだが、
結局女性の反対にあって、その座をコーヒーに奪われたイギリス。
逆に、店の雰囲気を工夫することで女性も巻き込み、
政治とも結びついて重要な位置を占めるようになったフランス。
機を見るのに聡く、ブラジルを珈琲大国にしていくポルトガル。
珈琲の輸入が遅れたり、途絶したりして、
代用珈琲の研究に懸命になるドイツ。
珈琲を焦点にして、
各国の文化を描写していく様が楽しい。
そうだ、何となく、その珈琲の名前の様な感じで、何気なく、
『サントス』とか言って珈琲を買ってるけど、
それは、サントスで生産された、珈琲なんだよな。
それをわざわざ仕入れて売っていて、それを買っているわけで…
他にそんな商品あるかなぁ?
ここまでメジャーなのに、世界中から仕入れてるようなもの。
んー不思議な飲み物だな、珈琲ってのは。