『あるある』の放送作家のブログが炎上→記事削除

毎日新聞にこんな記事が。
関西テレビ(大阪市北区)制作の「発掘!あるある大事典2」(1月23日に打ち切り発表)と前身番組の企画立案に携わった放送作家の高瀬真尚さん(45)が、インターネットの個人ブログで、「(日本人の)食行動について情報操作できるってことになる」などと記述していたことが分かった。1月20日のねつ造発覚後、ブログにアクセスが殺到し、その中には批判の意見などもあったといい、高瀬さん側は「誤解を与える文面だった」として、問題部分を削除した。
 

相変わらず、ネットの状況を表面なでただけで、
なんの考察も、知識すらもない記事なのだけど、
この記事内で引用されていた部分、
「ワタシは、この国の人たちの食行動について情報操作できるってことになる。怖い怖い。皆さん、ご安心を。そんなこと絶対しませんから」
これを読む限り、確かに穏やかな表現じゃないけど、
そんなに非難が集中するコメントとも思えない。
結果から導かれる事実を述べ、
その危険性を示唆しているだけで、
(この引用文だけ見る限りは)別に偉そうでもないんだが。


該当エントリは既に削除されてしまっているので、
実際にどんな文脈かは知るよしもないけれども、
まぁそんなのは何とでもなるわけで、
やっぱり、WEB魚拓を取ってる人がいました。

というわけで、実際のエントリ記事はこちら。

関西テレビには、「いつも納豆を食べてるのに、新参者に買い捲られて、買えな
いじゃないか・・どうしてくれんだよ!」的なクレームまで寄せられた。

凄い影響力だなあ。あるあるって。
と、新年早々改めて感じ入ってしまった。
 

で、これを読んでみると、
冒頭に、引用文の箇所があり、その後に、
国益だけを考えてきちんと番組作りしないと、
自分が間違ったら大変なことになっちゃう・・などとも思う。
でも逆に、この国の若い世代の間違った食生活を
上手く正すことができるのかもしれない、などとも思う。
そうすれば、もう少し皆なの顔色や表情が良くなるはず。

といったようなコメントが続く。

『放送作家』というステレオタイプで見ると、
そんなこと言ったって視聴率意識しまくった発言なんだろ、白々しい、
と思えなくもないけれども、
文面通りに受け取るとしたら、
  • 影響力を握っていることへの驚き
  • 現代社会への憂い
  • 上手く使えば正しいことが出来るかもしれないと言う発見
という、“無邪気な業界人”の姿が浮かぶ。

影響力(権力)の誇示がそもそもいい目で見られないということはあるけれども、
まぁ、このエントリ自体はそんなに批判されるべきモノではないなぁという感じ。

むしろ本音でしょ。
そう言う本音を隠してる方が気持ち悪いよ。
感じて当然のことだろうし。

全ての人が影響力を持ち得るわけじゃないし、
権力は正しいことを行使する意図を持つ人に、握って欲しいよ…



…とまぁ、そんなことを思うんだけど、
もちろん、そういうことは、極めて表面の話。
面白いのはそこじゃなく、

自分が作った番組で捏造が横行していることを知ってか知らずか、
そこで作られた内容を鵜呑みにし、
その影響力を無邪気に喜び、
それを前提にしてデカいことを言っている、
その行動が、はっきり言って滑稽だよな。


うがった見方をすれば、引用部分は、
『こんな番組で影響受けるお前らはバカだなー』
と言うことでもあるんだけど、
いやいや、影響受けてるのはあんたもでしょ、
捏造してんの知らないで(知ってるかもしれんけど)、
何偉そうなこと言ってんの?っていう。


結局は、なんていうかなぁ。

作る方も見る方も、『お約束』を守って、
ある程度虚構の世界の中で、面白楽しくやろうよ、
そういうことなんだね、と。


このエントリは削除しない方が良かったんじゃないの?
何となくね。

その上で、捏造していたのかどうなのかを自分でまとめて、
虚構の権力の上に立って喜んでいた、
無邪気な自分が恥ずかしい、とでも書いておけば、
批判一辺倒になることはなかったと思うね。


日本人は謝るくせに反省が下手なんだよなぁ、
と、最近ちょっと思う。