山内弘『神は沈黙せず』を読み終えました。
SFを読むのは久しぶりだなぁ…
と思ったんだけど、よく考えたら最近ずっと、
『スター・ウォーズ・ノベル』を読んでたんだから、久々でも何でもないんだな。
まぁ、一時期に比べれば、全然読んでないけど。
で、この小説のメインテーマ、神はいるのかどうなのか、いるとしたらどんな存在なのか…
それに対して、如何に自分が普段考えていないかを実感することになった。
何かが起きたとき、僕の中には、
そこに神の力が内在している…という考えが浮かばないのだよね…
もちろん、そこまで劇的な何かに出くわしたことがないと言うことなのかもしれないけど、
僕が、目に見えない『神』というものを信じていない、ということではなくて、
いてもいなくても、僕にとっては大して影響がない、
なぜなら、それがどういう意味なのか考えてもよく分からないから、
神の存在に、僕自身が影響されることはないと言うことなのだけど。
多分。
もちろん世の中には僕とは違う意識を持った人が沢山いて、
神に守られているということを、深く信じているひともいるし、
とにかく自分が安心したいがために、頼れる基準を必至で導入するヒトもいる。
(占いや、オーラ、前世がどうこうというのは、本質的に信仰であり、宗教である)
でも、厳密に言えば、神が考えていることを知っている人はいないし、
仮にこの小説のようなことが起きたとしても…
起きてもらったら困るが…
不思議はないのかなとも。
まぁそんな色んなことを考えさせてくれるような、
フィクションでありながら、リアルを示唆してくれるそんな小説。
なかなか面白かったと思う。
あ、ただし、弾さんのエントリのコメントを見て感じたけど、
フィクションはフィクションで、リアルと分けて考え、話に没入したいヒトは、
あんまり楽しめないかもしれないですね。
これは、批判でも何でもなくて、そう言われてみると確かにそうかも、と。
中途半端なフィクション設定と、紙一重ではあるし。
とにもかくにも。
ストーリー以外の部分が、心に残る。
そんな小説でした。