本日のニュース。 – 2005/10/20 : Mobile Keywords

今日のキーワードは、『W-SIM』と、『PTT』。


『W-SIM』というのは、PHS通信会社のウィルコムが発表した、
PHSの通信部分をカードに格納したモジュール。

ITmedia +D モバイル:ウィルコム、PHSコアをモジュール化
ウィルコムは7月7日、PHSの通信部分をカード型のモジュールに収めた「W-SIM」(ウィルコムシム)などを発表、「WILLCOMコアモジュール」構想を明らかにした。

このカード型モジュールを、携帯端末に挿入することで、
その端末が携帯電話として機能することになる。
つまり、携帯を開発する会社は、通信部分はウィルコムの仕様に合わせるだけでよく、
開発をする必要がない。
また、端末をセットで開発しなくてよいので、コストも抑えられて、
少量生産や、特殊な形態の機器に組み込むような利用方法も考えられる。

海外ではよく見られるタイプ(回線はSIMカードとして別に保有する)のようなのだけど、
日本では初めての形なので、どのように普及していくのか、
携帯にまで発展するのか、ちょっと注目できる。

で、その製品を実際に組み込んだ形というのが、次の2点。

ITmedia +D モバイル:“キュートな小さなカラフルなもの”――“TT”のデザインに込められた意味は?
工業デザイナーが、W-SIMモジュール設計の段階から関わった“TT”。TTのデザインの意味は? ターゲットユーザーは……? デザイナー山中俊治氏に聞いた。

 山中俊治氏は、自動車、ロボットなど、幅広いジャンルの製品を手がける工業デザイナーだ。Suicaの読み取り機に付いている、カードを手で持ってかざしているデザインも、山中氏の手によるものである。


 今回発表された“TT”“DD”の開発だけではなく、山中氏はW-SIMモジュールの開発から関わった。“2年半という、通常の携帯電話としてはかなり長い開発期間がかかりました。しかし、基礎技術からと考えると(2年半は)かなり短い。すべてのデザインはここから始まりました。単なるデザインプロジェクトではありません」(山中氏)

ITmedia +D モバイル:“キュートな小さなカラフルなもの”――“TT”のデザインに込められた意味は?
アンテナまで内蔵したSDカード大の通信モジュール「W-SIM」を使ったデータ通信端末、「DD」が登場する。


 ネットインデックス(旧本多エレクトロン)は10月19日、ウィルコムが発表したPHS機能内蔵モジュール「W-SIM」を使った超小型のデータ通信端末「DD」を発表した。10月26日からオンラインショップ ウィルコムストアで予約を受け付け、11月25日から販売開始する。価格は数千円になる見込み。


“TT”は、通話端末、”DD”は、データ通信用端末。
“DD”は”TT”に付属して販売されるそうなので、用途によって、
SIMを取り出して使い分けるということになるのかな?

また、この”TT”、なかなかデザインがいい。
パッと見、電話とはわからないような、従来とは違うけどおしゃれなデザイン。
あくまで、『スタート地点』としての象徴的な製品のようで、
機能は大幅に制限されているし、使い勝手は微妙だが、
でも、あんまり日本にはない、感じのデザインを、日本人が日本の会社でデザインした、
というのがなんか嬉しい。
日本人が重要という意味ではなく、
外国の企業のピンスポットの販売や、有名外国人デザイナーの起用に比べて、
今後に繋がる感じがあるからだ。


一方で、『PTT』というのは、NTTドコモによる新サービス、
『プッシュトーク』に採用されている技術のこと。

ITmedia +D モバイル:音声定額も実現?夏野氏が話すプッシュトークの狙い
既報のとおり、NTTドコモはPTT(プッシュ・ツー・トーク)の技術を利用した新サービス「プッシュトーク」を開始する(10月19日の記事参照)。新機種「902iシリーズ」からサービスに対応しており、今後90x系の端末はいずれも対応する予定。専用の新料金体系として、月額1050円でプッシュトークがかけ放題になる「カケ・ホーダイ」も用意した。やや変則的な“音声定額対応”ということになる。

言ってみれば、電話番号で相手を指定するトランシーバー。
一回話す毎に5.25円という料金体系は何となく高いような気がするが、
一言で済む用事なら携帯より安い。
また、ドコモには音声定額サービスはないが、プッシュトークには、定額サービスがある。

ただ、コレが(一般レベルで)どれだけ普及するかというと、どうだろう。
大人気にはならなさそうだ。
無料サービスなら良いんだけどねぇ。

神尾寿氏はITMedia上のコラムで、
『性質も使い勝手も、従来の音声通話とは異なるもの』で、
『PTTは、その機能特性にあった新たな使い方をしていくべきもの』
と、書いている。

ITmediaビジネスモバイル:プッシュ・ツー・トーク普及の鍵は「誤解されない」こと

携帯通話と張り合ったら…勝ち目があるだろうか。
でももし、PTTが、他の何か特徴をつかんだら、流行る…かも。
確かに、夏野氏が言っているような使い方、
今までは多人数での待ち合わせ場所に来て、一番早く来ていそうな人間に電話をかけていただろう。しかしこれからは、プッシュトークで参加者全員と情報を共有できる。『今、遅れているんだけど』『なんで遅れてんだよ、早く来いよ』といった会話をみんなでできる」
それは便利かもしれない。
でも、僕なら、全員にメールするけど。

なんか、メールと音声通話の、真ん中の、中途半端なとこで、
中途半端なサービスになっちゃわなければいいけどなぁ。

あと、他社端末にも乗り入れてくださいませ。
(使ってはみたいのです)