ハルウララ

いまさらですが。
『ハルウララ、カワイイ?☆』
とか言ってる奴らは、死ね、と思います。マジで。

本来ならば行き場のない、
命を落とすことになったかもしれない一頭の競走馬が
自らの存在価値を見つけた、そのことは幸福だと思う。
しかし…『勝たないこと』を賞賛する精神は、不健康以外のなにものでもない。
はっきり言って、不快だ。

確かに、彼女は可愛いと思う。
しかし勝てない理由が示すとおり、気性が悪く、恐らくじゃじゃ馬だと思われる。
もしくは、果てしなくやる気がないか。
いずれにせよ、僕らが好いてるほどには、彼女は僕らを好きではないはずだ。
走っている姿にみんなが声援を送り、負けるとなんだか安堵する。
そんな光景を見ていると、吐き気がする。
彼女は僕らのおもちゃなんかではなく、
意志を持ったひとつの生物であり、
その意志の方向かどうかはともかく、日々、一生懸命走っている、
それが彼女の存在意義であるべきだし、
であるからこそ、スポーツは輝くのだ。

スポーツの世界というのは、
一握りの勝者と、圧倒的な数の敗者から成り立っている。
賞賛されるべきは勝者であり、
スポットライトが当てられようとも、敗者は敗者なのだ。
残酷であろうとも…
であるからこそ、美しいのだ。

『流行』は、スポーツそのものを否定している。
全く、日本人らしい、と言わざるを得ない。