April-May 2004

暑い陽射し、柔らかな風。
活気に満ちた街と、涼やかな緑。
春の京都は美しい。

この街を、どう切り取るか、
それと長い間格闘してきた
でも、目に映る景色より美しく
せめて、伝えたい美しさを伝えられるような
そんな写真が撮れたことは未だ無い

僕がずっと、そして今も思っているのは
人のいる場所、空気、ざわめき、
それを写真にしたい。
静けさ、それも『対比』という意味で、
『音』を主張する。

基本的に写真には音は写らない。
でも、写らないことが、写真の中の音、
同じように『写らないこと』が、写ることでもある
春の僕は、
焦りすぎて、欲張りすぎて
すべてを写そうとしているのかもしれない。

そろそろ、写真が撮れそうになってきた。
写真は、何より、僕自身を写し出す。
愛しい人を収めれば、それは僕の愛を写し出す
悲しげな気持ちでシャッターを切れば、それもまた然り。

僕の気持ちがどう変わった、ということではなく
写真に写り込む、自分の気持ちを、
ようやく、許容できるようになったきた気がする。

カメラを持って、出掛けよう。