宇治川LINE[80km] – [3]

不思議なことだが、自転車に乗っているときは、常に楽観的になる。
経験上、その方がいい結果がでることが多いし、
何かトラブルが起きたとき、そのことで悩んでも何一つ解決しない。
頼れるのは自分と自転車だけだし、
とにかくそのときできることを、ありったけ考えて、
少しでも前に進まなければならない。
おそらく、物事がすごくシンプルになるからだと思う。
生きて、前に進む。
それだけしかやることはない。

ここから天ヶ瀬ダムまでの間に関しては、
特に書くことはない。
宇治までずっと下り坂だから、もし自転車に乗っていれば、
時速40km/h以上で飛ばしているだろうし、
大型トラックも気にならないだろう。
15kmだっておそらく、40分くらいだ。
しかし歩きは違う…排ガスと照り返し、
歩かなければいけないという状況、あらゆる要素が疲労につながる。
依然として楽観的であったし、
常に残り時間とのこり距離を考えながら、一歩ずつ進んでいたが、
上りよりも下りの時、俺はなにしてるんだろう、と思っていた。
だってさ…なぜ自転車で山を登るの?っていわれたら、
下りが爽快だからに決まってるじゃん。
上りの頂点でパンクしなくてもなぁ…神様もほんと意地悪だよ、マジで。
しかしまぁ、これより最悪だったことなんて今までいくらでもあるし、
きちんと前を見て進めている分だけ、
そのころより、全然ましだし。
そういう経験も、俺を支えている気がする。