THE DAY.

今年も、『その日』がやってきた。
とはいえ、その当時、『関西』にいなかった人間にとって、『そのこと』は極めて実感に乏しいことだ、
そんな僕『ら』にとって、『そのこと』はあくまで、『事実』に過ぎない

友達の知り合いが亡くなっていたとしても……
人間はそれ自身が思うほど、想像力豊かではない
逆に、それ自身が思うほど、大らかでもない、簡単に、傷ついてしまうものなのだ、
体も、心も、

僕は毎年、『この日』が訪れるたび(本当は僕の方が訪れているのだが)
『悲しさ』を実感できない『寂しさ』を感じる
だが、口からその苦しさを語れるほどはいい加減にはできていない
だから、わからない。
そして、恐い。

彼らは何を学んだのだろう?
そして、毎年、変わらず『この日』『この時間』を迎えてしまうことに、
どんな意味を感じているのだろう?
彼らは、何を思うのだろう?

そんなことを考えながら、ブラウン管に映るともしび、を見つめる。

醒めている?醒めてはない。
率直な意見のハズだ。

少なくとも、傷ついた人間以外には、決してわからない。
それを考えるだけで、傷ついた人間の傷の深さ、がわかる、

僕は、恐い。