京都府知事選(4/6投開票)について

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先週は色々と話題を振りまいた、というか話題だけで中身は特になかった、大阪市長選でしたが、来週は話題もなければ中身もない京都府知事選が行われます。立候補しているのは現職で公明推薦、自民府連、民主府連推薦の山田啓二氏(60)と、共産推薦の尾崎望氏(59)。決して楽観出来る状態ではないものの堅実に推移している京都府政、それを牽引してきた山田氏に対し、「京都」という地域特性を生かして何とか一矢報いたい共産候補の尾崎氏という構図ですが、まあ有り体に言って「無投票当選」ですわね。

街頭演説聞いてても、尾崎氏の論説は「原発廃止」「消費税増税反対」「アベノミクス反対」で、お前誰の顔みて演説しとんねんコラという内容でございまして、まだ期日前投票期間中ではありますが、そろそろ各メディアは「当確」打ったら良いんじゃないかと思いますね。だってこれ100%、開票率0%で当確だろ。尾崎さんが当選とかあり得ないし、多分共産党の人も誰もそんなこと思ってないし、少しでも露出出来るところで共産党の主張を堂々と演説して少しでもシンパ集めて、寄付金なり次の選挙なりに繋げていきたいというだけでしょ?大阪市長選を強行された大阪市民ほどではないものの、京都府民的にも税金の無駄だなあと思う次第です。

ああもちろん、こんな構図になったこと自体は共産党さんの責任ではなくて、山田氏の得た評価とそれに挑戦する人がいないと言うことにあるんですけれど。こんな状態で立候補者を出した共産党さんはよくやってると思います。




せっかくなので主張を読んでおきましょうか

というわけで、次期京都府知事は引き続き山田啓二氏にやっていただくということで異論無いかと思うのですが、「大安心・大交流」とか、どこのおっさんが考えたのか理解に苦しむ中身ゼロどころかマイナスじゃねえのって言うくそダサい標語に一方的に勝利宣言を語られるのも癪にさわるっちゃー触るので、尾崎望さんの主張も覗いてみることにします。

尾崎望(おざき・のぞむ) 2014年4月京都府知事選挙


まず「3つの転換」。方針みたいなもんです。

行き詰まりの京都府政。だから今、「3つの転換」|尾崎望(おざき・のぞむ) 2014年4月京都府知事選挙

公共事業を消費税増税の条件をつくるための「景気の浮揚策」として無計画に発注するようなやり方は改め、河川や砂防、老朽化した橋や道路、府営住宅、学校や病院など公共建築物の補修など、住民の身近で安心・安全にとって真に必要な公共事業に計画的・継続的に発注することを通じて、低入札の現状を改善し、府内業者が仕事とマンパワーの安定的な確保と育成につなげられるようにします。


これはいいですね。単純な公共事業の削減、もしくは増強ではなしに、仕事のやり方、発注の仕方から中小企業を支えようというのは素敵です。市井に根を張る共産党ならではの主張だと思います。


行き詰まりの京都府政。だから今、「3つの転換」|尾崎望(おざき・のぞむ) 2014年4月京都府知事選挙

今、国の悪政に対して、知事の政治姿勢としても、行政政策としてもキッパリと対決することなしに府民の生活を根本的によくすることは困難です。


金さえあればそれも良いんですけどね……上の項で「京都経済は全国最悪の状況に落ち込んでいます。」と叩いておいてこれは通らないと思います。府予算の財源はどこにあるんでしたっけね。無理。国でも地方でも万年野党の共産党ならではの主張だと思います。


行き詰まりの京都府政。だから今、「3つの転換」|尾崎望(おざき・のぞむ) 2014年4月京都府知事選挙

府県をなくし、道州制に道を開く。これでは京都の知事としての資格が問われます。もともと道州制は、「究極の構造改革」と言われ、大阪湾岸ベイエリア構想など関西財界・大企業主導の新たな大型開発計画に、税金と資金を集中するためのものです。

これでは結局、地域はいっそう疲へいし、地域と住民生活は切り捨てられることになります。


道州制の京都府への影響が煽り優先で短絡的。持ち帰ってやり直し。


次に「5つの挑戦」。方針の具体的な政策への落とし込みです。

尾崎望の「5つの挑戦」(私の重点政策)①|尾崎望(おざき・のぞむ) 2014年4月京都府知事選挙

3つの転換を具体的な5つの重点政策に反映させると、国政批判になってしまう不思議。国政批判しないと、京都府政は成り立たないのでしょうか。消費税増税反対、言うのは結構ですけどそれ実現出来るんですか。実現させるためにはどうするんですか。法律で手続きが決まってるんですけど、具体的にどういう手続きで実現させるんですか。

これが参議院選なら及第点でも府知事選です、これ。「ああ、こっち全然見てねえのな」というのが京都府民である僕の感想です。反安倍政権の運動でもやって頑張って寄付金集めてください。



公平を期すためにも山田啓二氏のサイトもチェック

さすが現職、政策が細かすぎてピックアップしきれないので、気になる人はここ読んでください。

新たな挑戦への約束「きょうと大安心・大交流創造プラン」|山田啓二(やまだけいじ)|ビジョン|2014年京都府知事選挙

尾崎氏が「京都府政はなってない」とし「私なら実現出来る」と掲げていた主な政策、老人医療、福祉、雇用、中小企業、子育て、再生エネルギー……などについては、尾崎氏以上に具体的な政策に落とし込む形で網羅されているように見えます。もちろん実際に実現してくれるのかどうかは別問題なのですが、これまでの実績を考えるとさほど大風呂敷にも見えない気が。

掲げた政策を実直に遂行していただきたいと思います。



ちなみに京都府の財政事情って別に悪くないですよ

ここ参考にしてください。

京都府財政状況(平成25年12月)/京都府ホームページ

「健全化判断比率」あたりをみるとわかりやすいです。

中小企業の倒産数や、若年労働者の労働環境などが全国でかなり悪い方にあるというのは事実であり、それに対する対策がなってないというのは全くもって正しい指摘だとは思いますが、そのことと、京都経済、京都府財政とは直接には結び付いてません。財政基盤が脆弱な中小企業、時代の推移に弱い中小企業が多いという地域特性もあると思いますし。

消費税増税の中、なんとかしてもらえるよう期待しています。



まとめ

そういうわけで、大して面白い選挙にもなりそうにないので、面倒な人は選挙なんか行かなくても良いです。花粉も飛んでるし、PM2.5もあるし。ただ京都府にどんな問題があるかは知っておいた方が良いかな。支援とかそんなんじゃなく、単純な資料として、山田啓二氏のサイトは良くまとまってると思います。尾崎さんの支持者の方もどうぞ一度目を通してみてください。結構面白いですよ。標語はダサいけど。