【健康に関するメモ】第6回:「エストロゲン」と「イソフラボン」について

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健康に関して気になる情報について調べ可能な限り文献にも目を通した上でまとめます。始めからトンデモだと決めてかかるのでは無く、また正しいと決めるのでも無く、出来るだけフラットになるように心がけますが、なにぶんメモ書きであり内容の正しさを保証するものではありません。基本的にはWikipediaの情報を参考文献や他の検索結果を見つつメモし、考えるための資料を用意していく予定です。


第6回は「エストロゲン」と「イソフラボン」についてです。


目次

  1. 「エストロゲン」とはなにか
  2. 「イソフラボン」について




「エストロゲン」とはなにか

エストロゲン – Wikipedia

エストロゲン(米: Estrogen, 英: Oestrogen, 独: O”strogen, OEstrogen)は、ステロイドホルモンの一種。

一般に卵胞ホルモン、または女性ホルモンとも呼ばれる。

(中略)

卵巣の顆粒膜細胞、外卵胞膜細胞、胎盤、副腎皮質、精巣間質細胞で作られ、思春期以降分泌が増加し、プロゲステロンとともに月経周期に応じて濃度が変化する。女性の性活動、二次性徴を促進する働きがある。

(中略)

エストロゲンはステロイドホルモンの一種であり、その受容体(エストロゲン受容体:ER)は細胞内にある。エストロゲン-受容体複合体は核内へ移動し、特定の遺伝子の転写を活性化する。エストロゲンの受容体は全身の細胞に存在し、その働きは多岐にわたっており、その解明にはまだ時間がかかりそうである。一般的に知られているのは、乳腺細胞の増殖促進、卵巣排卵制御、脂質代謝制御、インスリン作用、血液凝固作用、中枢神経(意識)女性化、皮膚薄化、LDLの減少とVLDL・HDLの増加による動脈硬化抑制などである。



現代の乳牛は女性ホルモンを注射することによって妊娠状態とし搾乳を行っているため、女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)を多く含み、乳がんなど女性の病気や肺がんのリスクを高めている…という話があります(参照)。エストロゲンは乳がんや子宮がんを悪化させる物質(エストロゲンががん細胞にあるエストロゲン受容体に結合してがん細胞が増殖する)だから牛乳は飲むべきでは無いと。

一方でエストロゲンは分解されやすいので経口摂取した場合には肝臓で分解されてしまうという話もあります。ホントかいな。肝臓に障害があった場合には分解されないので、乳腺肥大などの問題を引き起こすとのこと。


エストロゲン – Wikipedia

エストロゲンの分解は他のステロイドホルモン同様、主に肝臓で行われる。グルクロン酸抱合を受け、胆汁排泄または尿中排泄される。尿中に含まれるのはエストロゲンではなく、分解産物であるプレグナンジオールであり、この濃度による妊娠診断が行われている。肝臓障害によりエストロゲン分解能力が低下すると、慢性的エストロゲン濃度の上昇を引き起こし、男性では乳腺肥大(女性化乳房)、女性では性周期の乱れなどが生じる。経口摂取されたエストロゲンのほとんどは、腸で吸収されて門脈から肝臓に入って分解されてしまう。経口的にエストロゲンを摂取するには、分解されにくいエストロゲン誘導体を摂取する必要がある。



さらに日経メディカル オンライン(購読には登録が必要です(無料))で最新の医療情報を探ってみたらば、エストロゲン含有の経口避妊薬を使用すると使用期間に応じて卵巣癌リスクが減るとか、

経口避妊薬は卵巣癌を減らす:日経メディカル オンライン

同じ女性ホルモンのプロゲステロンを一緒にホルモン補充療法(更年期障害に対する治療)に使用すると乳がん、肺がんのリスクが高まるが、エストロゲン単体であれば少なくとも肺がんのリスクは上昇しないとか、

WHI試験のエストロゲン+プロゲスチン併用群を11年追跡した結果は乳癌死亡も増加を示す:日経メディカル オンライン
エストロゲン単剤投与は閉経女性の肺癌リスクを上昇させない:日経メディカル オンライン

なんかいろいろ出てきてよくわかんない。そもそもエストロゲン自体難しい物質なのだとか…

ジェノバ・エストロゲン代謝検査

多くても問題が起きるし、少なくても問題が起きると。

ホルモンって難しいのですね…



正直言って良く解りませんが、女性の方は無理に飲まなくて良いのでは無いでしょうか。ただし前回見たとおり、牛乳によるカルシウムの蓄積効果については考慮する必要があります。「牛乳は逆にカルシウムを流出させるのよ、だからこれで良いの」と思っている人はこちらをご覧ください。

【メモ】健康に関する覚え書き(その5)カルシウムと牛乳の関係について



「イソフラボン」について

イソフラボン – Wikipedia

イソフラボン類はポリフェノールの分類のひとつで、イソフラボンを基本骨格とするフラボノイドである。大豆、葛などのマメ科 (Fabaceae/Leguminosae) の植物に多く含まれている。

ゲニステイン、ダイゼインなどのイソフラボンはエストロゲン(女性ホルモン)様の作用を有する。これはエストロゲン受容体に結合してアゴニストとして働くためで、このような活性を持った植物由来の化合物は植物エストロゲン(または植物性エストロゲン)と呼ばれる[1][2]。



イソフラボンについては「エストロゲンに似ているから癌を助長させる」という説が出回っていますが、これは2006年に出回った誤報で、現在は否定されています。


イソフラボン – Wikipedia

一部のマスコミが乳がんの発症リスクを高めると報道したが、誤報だと指摘されている[8]。

2006年には、食品安全委員会は「現在までに入手可能なヒト試験に基づく知見では、大豆イソフラボンの摂取が女性における乳がん発症の増加に直接関連しているとの報告はない[9]」と報告している。

厚生労働省研究班の2008年の報告では、432人の保存血液から血中イソフラボン濃度を測定し乳がんのリスクとの関連を分析したところ、欧米人より高いイソフラボン濃度での検討だったが通常の食事の範囲では心配はいらないと考えられた[10][11]としている。

米ヴァンダービルト大学による中国での乳がん手術患者を対象とした大豆食品摂取の摂食と生存率の調査では、摂食量が多いほど死亡率・再発率は低下し摂食量と死亡・再発率は有意の逆相関関係にある事が示唆されている[12]、但し有意な逆相関を得た患者群の摂食量は平均的な日本人の3倍程度である。


大豆食品の摂取が乳癌サバイバーの死亡と再発リスクを低減:日経メディカル オンライン


その仕組みはこんな感じと推測されています。


乳がんの発症を予防するために – 乳がん対策レシピ – goo ピンクリボンキャンペーン2011

大豆イソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンとよく似た化学構造をもち、ファイトエストロゲン(植物エストロゲン)ともいわれています。これを健康な人が摂ると、体内のエストロゲンと拮抗して、エストロゲンを抑える作用をします。つまり、乳がんの発症に大きく関与するエストロゲンの働きを弱めるため、予防効果があるといわれているのです。



なるほど。抗エストロゲン剤と同じですな。

というわけで、大豆製品好きの女性の方。気にせず大豆を食べてください。あ、でも既にエストロゲン依存性乳がんの治療やホルモン療法を受けている人は主治医と要相談で。


エストロゲンも不思議ですが、イソフラボンも不思議です。