僕自身、レコード屋勤務と言っても、業務上は商品に接しているわけではないので、
レコード屋という業務に対して現実感を失ってしまうことがたまにある。
でも、何かについて考えたり、話し合ったり、会議に参加したりすると、
この業種は非常に危うい、綱渡り的センスに支えられている、とわかる。


レコード屋というのは、小売業の中でも特異な方だと思う。
基本的にレコード屋には、『定番商品』という物がほとんど無い。
一般的にレコードというのは、売り切りスタイルだし、ロットも小さい。
たとえ、あっという間に売り切れてしまったとしても、
すぐにバックオーダーが通るわけではないし、追加注文すらできない場合もある。
それに、売り切れるかどうかなんて売ってみないと分からないのが正直なところなのに
アイテムを見て、ショートしないように(商品が足りなくならないように)、
且つ在庫を抱えすぎてしまわないように、仕入れ数を決めなくちゃならない。
知識と経験に左右される職人芸だ。
CD屋も似たような職種だと思うが、レコードの方がよりシビアなんじゃないだろうか?


そして意外と分かってもらえないが、レコードってヤツは、非常に利益幅が小さい商品だと言うこと。
ごくまれに、安価で仕入れたレコードが化けることもあるが、それはレア。
通常業務は、小さな利益を積み重ねることだ。
当然、独占/先行販売したり、自社レーベルからだしたりすれば、
多少利益幅を稼げるが、それも劇的というほどではなくて、あくまで積み重ねる域を出ない。


そうした要因に加えて、どうしても考えなければならないのは、市場の収縮。
DJという文化が若者中心に根付いた感があり、一時期のような、
針の入手を危ぶむほどの状況にはなっていないと思うけれど、
一般的に見れば、レコードを買う人なんてのは少し変わっているんである。
年始の挨拶?かなんかで、自分とさほど年齢の変わらない社長が率い、
我が社とさほど歴史も変わらない楽天がここまで利益を上げているのは…
なんて挨拶を読んだけれども、
すみません、社長、無意味です。

レコード屋には拡大していく市場も、合併させる部門も、資本が魅力に感じる要素もないわけで。
もし今後一番の利益を上げる瞬間が来るとすれば、恐らくそれは、
オンラインショップを切り離して売却するときだろうね。
それは確かに億単位の売り上げになるだろうけれども、それもやはりレア。
結局レコード屋は、目の前の商品を1つ1つ吟味しながら、
入荷し売り切るという作業を続けていかなければならないわけで…


レコード屋にとっての一番のリスクは、これはもちろん他の業種も同じことだが、
デッドストックを抱えること。
デッドストックとなった商品に、光が当たって売れるということはまずない。
要するに、デッドストックはそのままキャッシュフローの極端な減少に直結する。
雑貨屋と違って…値下げ以外に売りようがないんである。
セールで放出すれば、キャッシュフローは手に出来るが、通してみればそれはただの赤字だ。
そして、このリスクを回避するのは、非常に難しく、マニュアルやシステムでは多分無理で、
個人の力量に大きく左右されるのだ。

デッドストックを避けるのに一番いいのは、
入荷量を消極的にして、ショートを繰り返すことだが、それでは根本的な利益が少なくなる。
やはり、リスク承知で行かなければ…


確実に需要の減る業界で、今後より発展していくためには何が必要なのだろうか?
そしてそこでの、WEBデザイナーの役割とは?
考えれば考えるほど、わからなくなる。

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    I'm a web designer/programmer in Kyoto, Japan. Also work as a blogger, DJ.

    NOBODY:PLACE is my personal blog since 1998. Everything I'm interested in is here.

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