どうして異常だったかを明確にするのは難しいが、
何が異常だったかを示すのはそうでもない。
何が異常だったのだろう?
それは、いつもより元気がなかったこと、ではなくて、
『元気になりたくなかったこと』、だ。
落ち込んで安定してしまっているから、何も考えられない。
だけど日常生活や人生は進んでいくから、
判断を下さなければいけないことや、悩まなければいけないことや、
悲しいことが向こうからやってくる、
でも、そのひとつひとつに反応できずに、漠然とした雰囲気でしか自分を感じられない。
雰囲気では、なにをすべきかわからない。
そんな異常な事態は、いまでもそう変わっていないけど、でも、少し違う気がする。
頼るべきものを求めていた。
自分で、ある要素について否定し、他に頼る要素を求めたとき、バランスがほんの少し変わったのだろう。
間違いだった。
かといって、否定したことは間違いではない、と思う。
生きていて、自分のプレッシャーを、1点に集めて、1つの要素に頼り切って生きていた…から、
いけないんだと思う。そして、その1つに誇りを感じることができなかった。
『バランスの取れた人間』というのがどういうもので、それがいいのか悪いのか、
ということについてはよくわからないが、多分、そんなヤツは嫌いだと思う。
そうではなくて、
物事には、バランスがあって、それを見極めることが、大事なのだと思う、
そのことに気づいていたのに、数少ない柱をいきなり引いて取り去った僕は、大馬鹿者だ。
そんなことに気づいたとき、漠然とした雰囲気を作っていたことの1つが氷解した気がした。
今生きている僕の人生は、あまりにも、バランスが悪い。ただ、生きているだけだ。
手を離せる時間に、そんなことを考えて、時間を過ごしていた。
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