【ドル円】 ジリジリと円安で99円へ(執筆時点で98円83銭) 【定点観測】

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先週、FRBの出口戦略に関する報道があってそのまま円安基調に戻るのかなと思ったのですが、

【ドル円】 アメリカ緩和縮小報道で、円安へ(執筆時点で98円01銭) 【定点観測】 | mutter

それから1週間はだいたい98円を挟んでの揉み合いが続いていました。色んな要素はあるんでしょうけど、考え方としては、安倍政権発足、黒田日銀総裁就任以来の心情的な円安進行が終わって、浮ついた部分を少し精算した上でなおだいたいこれくらいの相場で安定している、そう考えることも出来るのかなーと。このあたりを基礎にしながら、各政府の言動や景気動向に従って上下していく感じなのかなと。これから、ってことかなー。そしてまた、ポジションが積み上がって硬直→瓦解見たいのが繰り返されるのかなと。


……と、僕の妄想はこの辺にしてメディア報道を拾ってみます。




とりあえず、今日の東京の値動きに関するロイターの記事。

東京外為市場・正午=ドル99円に迫る、日経平均上げ幅400円超で円売り優勢に | 外国為替 | Reuters

正午までのドル/円は堅調に推移した。日経平均株価の上げ幅は400円超となり、 投資家のリスク選好が回復。短期筋が主導する形で、ドル/円は98.98円まで上昇し た。輸入企業の買いも相場を押し上げた。ユーロ/円も129.37円と6月21日以来 の高値をつけた。

米連邦準備理事会(FRB)当局者が早期利上げ観測の火消しにまわったことで米債 券市場の混乱はひとまず収束、株式市場も安定を取り戻しつつあることが追い風になって いる。

大手邦銀関係者は「投機筋は長い目で見たらドル/円は上方向とみており、売りから 入るところはほとんどない」と指摘。日米の金融政策スタンスの違いや、貿易赤字の定着 など円需給の構造変化などが引き続き材料視されているとして、「来月ぐらいには100 円に戻るのではないか」との見方を示した。

雇用統計までは動きづらいとの声があるものの、「日経平均が1万3000円台で値 固めの雰囲気が強まってくれば、ドル/円をサポートしそうだ」(大手信託銀)との見方 が多い。

ニューヨーク連銀のダドリー総裁は講演原稿で、市場の早期利上げ観測は連邦公開市 場委員会(FOMC)声明や大半のFOMCメンバーの見通しからかけ離れているとの見 方を示した。
パウエルFRB理事も講演で、資産買い入れ縮小ペースに関するFRBの見通しに市 場は過剰に反応し、利上げ開始時期の予想がかなり前倒しされているとの見解を明らかに した。



バーナンキ議長の声明は観測気球というか「お試し」だったということでおK?これで雇用統計でどうなるかだけど、どうなるんでしょう。普通で言えば、雇用統計好調→ドル買われる→円安、みたい感じになるんだけど、ここまでの流れだと雇用統計好調→やっぱり早期利上げあるんじゃね→リスク回避でドル売られる→円高、みたいな流れもなきにしもあらず?ていうか両方あるからよく分かんない値動きになってるのかしら。

と思ったらそんな解説記事もあった。


為替こうみる:米緩和縮小のドル高とリスクオフの円高がせめぎ合い=外為どっとコム総研 神田氏 | マネーニュース | 外国為替 | Reuters

[東京 25日 ロイター] – <外為どっとコム総研 調査部長 上席研究員 神田卓也氏>

バーナンキFRB(米連邦準備理事会)議長やFRB高官の発言を見ていても、米国の金融緩和政策が出口に向かっているのはほぼ疑いようのないところなので、長期のドル高トレンドに入っていると思われる。基本観はドル高/円安方向だが、足元で起きているFOMC(米連邦公開市場委員会)後の混乱、特に新興国市場の混乱ぶりはどう今後の展開につながっていくのか読みづらい。いつかの時点で収束するのか、しばらく混乱が続くのかによってドル/円の値動きも変わってきそうだ。   米国の量的緩和縮小によるドル高という部分と、リスクオフの円高がせめぎ合っている状態で、ドル/円もなかなか上にも下にもあまり大きくは動かない。



金融の仕組み的には円安になっていくはずなんだけど、相場には心理的な影響も絡んでくるので、そうそう簡単には理論どおり動かないという感じでしょうか。状況が安定しているわけでは全くないけれど、結果的に値動きはしばらく安定していくということなのかなーと思ったり。アメリカの景気は上向き、ヨーロッパと日本は下げ止まりという感じで、このところ世界経済はポジティブ気味で良い感じなのですけど、あと心配は中国かー。今、こんなだからなあ。


アジア・太平洋株式サマリー:中国株大幅安、香港・印株も下落 – Bloomberg

中国株式市場 では、上海総合指数が約4年ぶり大幅安となり、CSI300指数は弱気相場入りした。中国人民銀行(中央銀行)が投機的融資の抑制に向けた取り組みを維持する方針を示唆したほか、ゴールドマン・サックス・グループが流動性逼迫(ひっぱく)が成長を損なっているとの見方を示したことが影響した。

上海証券取引所の人民元建てA株と外貨建てB株の双方に連動している上海総合指数 は前週末比109.86ポイント(5.3%)安の1963.24で終了、2009年8月31日以来の大幅な下げとなった。上海、深圳両証取のA株に連動しているCSI300指数は前週末比6.3%安の2171.21。2月6日に付けた終値ベースでの今年の高値2775.84から22%下落した。


中国、水増し統計相次ぐ 貿易統計は7兆円過大 地方都市の工業生産額も – MSN産経ニュース

中国で経済統計の水増しが相次ぎ発覚、公式発表への信頼性が揺らいでいる。貿易統計は架空取引により750億ドル(約7兆円)も水増しされた疑いがあり、地方当局が工業生産を4倍近くに過大報告していたことも判明。政府は対応を迫られている。

 中国税関総署によると、1~4月の中国から香港への輸出は前年同期比69・2%増の1451億ドルに急拡大。しかし当局が架空取引を取り締まった結果、5月の輸出は1~4月より大きく低下。中国紙、21世紀経済報道によると、1~4月の貿易統計に計上された架空取引の金額は750億ドルに上ったとの指摘がある。

 また、国家統計局は6月14日、広東省中山市横欄鎮が2012年の工業生産額を62億9千万元(約970億円)も水増ししていたと明らかにした。公表額は85億1千万元だったが、国家統計局が調べると、実際は22億2千万元しかなかった。(共同)



「いずれ破綻する」と言われ続けて結局破綻していないので、その辺は我々の理解を超えた中国的ミラクルでバブルに実際が追いつくとか言う奇跡で乗り越えてるのかも知れませんが、中国発で何か甚大な被害とか出ないことを祈ります。