内製エンジニアとしての働き方を変えることにしました

先日、内製エンジニアの仕事が当初の予定と大きく変わって負担になってきているので、辞めるかどうか迷っている的な話を書きました。多分に個人的な話であって僕以外の人間に応用可能かどうか、そもそも読んで面白い話かどうか自身がありませんが、一応、進展があったので書いておきたいと思います。僕にとってはいい方向に進んだので、愚痴少なめ。多分。



大規模プロジェクトから離脱することになりました

該当プロジェクトは優秀なエンジニアだった前任者がいるときに企画されたもので、その時点でも第一弾リリースまで彼と僕とでかかりっきりになって3ヶ月ほど、プロジェクト完了までは規模が大きすぎて正確には見積もれていないものの設計すべき要素の数を見る限りでは、半年~1年程度は掛かる大きなものでした。彼と僕とではエンジニアとしての能力が違いすぎましたが、ならして2人月と考えるなら、全部で少なくとも18人月、最大で30人月が必要なプロジェクトでした。

優秀なエンジニアがいる内は良かったのですが、実際にキックオフしようという段階で彼が退職し離脱したため、プロジェクトは僕1人に降りかかってきました。飲食店と掛け持ちで働いている僕にとって内製エンジニアとしては多くて週20時間程度(所定労働時間の半分)しか働けないわけで、単純に計算しても18ヶ月×2で36ヶ月掛かる計算になります。その上、合間に中~大規模の別のプロジェクトを挟んで1年ほどのブランクを作ったため、プロジェクトが完了するのは3年後の2023年末。いつだよ。

これから3年間プロジェクトを背負いプレッシャーを受けながら働き続けるのは僕のメンタルが持たないので、もし本気でプロジェクトを完遂したいのであれば、前任者レベルの自ら開発に乗り出せる優秀なエンジニアを雇ってください、もし今後も僕1人しかアサインされない状態を続けるのであれば、申し訳ありませんが自分はプロジェクトからは離脱させていただき、入社(復職)時に戻って既存システムの改修に時間を割いていきたい、そういう旨を伝え、会社としても無理させていることはわかっていた(でもしょうがないからやらせていた)ようですんなり了承してもらえました。



好きなことだけをして生きろとはいわないけれど

社長にはほんと申し訳ないけど、これでほんとにものすごく楽になりました。設計した人がいない中で聞いたことない技術や半端に検証されたフレームワーク、ドラスティックに代わるフロントエンド、およそセンスが良いとは言えない画面デザインなどからおさらばできます。金のためとは言え俺はこんなプロダクトを1人作り続けなければならないのかと思うと、正直病気になりそうだったので、助かりました。

人として社会の中で生きている以上、好きなことだけをして生きるなんて不可能です。そして人生において好きなことをするという言葉は往々にして重層的なもので、好きなことをするために嫌なことをたくさんするという状況もよくあります。素晴らしい収穫のために毎日雑草を抜くというようなことです。好きなことだけをしていれば最終的に好きなことが出来るとは限らない。目標をどこに定め何をするのか、というのは大事です。

「好きなように生きる」そんなこと言うヤツ、どうやらダメみたい。





でもまあね、僕にとってツラく長い開発の先にスキルアップと一流エンジニアとしての未来があるみたいな話だったら今がツラくても良いんでしょうけど、昔はともかく今はそんな気持ちはまったくないので、大事なことは目の前の仕事に対してストレスを感じないことであり、このことに関しては好きなことだけやってそれに見合う金をもらって終わりにしたい。



エンジニアとしてのキャリアアップを考えていた僕はもう死にました

飲食店では違うけどね。毎日仕込みをして、営業して、掃除をする。このひとつひとつに対して嫌気が差すことがないとは言わないけれど、でもそのひとつひとつは僕にとって大事なこと。掃除をする、ゴミを片付けるといったことですら大事なこと。だから嫌なことでもとても大事にやる。それは真面目とかそういうことではなくて、それだけの覚悟を持ってやっているということです。将来的に好きなことをやるために、今はどんなことでも厭わない。

内製エンジニアのとこの社長も、是非、エンジニア職に対してそういう感情を持っている人を見つけてもらいたいと思います。復職したときからいってるけど、今の僕はそうじゃありません。15年前、エンジニアとしてのキャリアアップを考えていた僕はもう死にました。そして、きっともう帰ってこないと思います。今の僕にはもうそんな気概はない。



くだんの大規模プロジェクトがなんとか再開できる日が来ることを祈ってます。