「ゴブリンスレイヤー」とは
ざっくり行ってしまえば良くあるRPG系ファンタジーものです。冒険者がいてモンスターがいて、剣と魔法の世界で、様々な種族があって、ギルドがあって……という感じの。冒険者が能力を生かして「敵」を倒していき、最終的には「魔王」を倒すというのが一般的であり、主人公の能力の高さや成長の過程などが描かれるものですが、今作は違います。何が違うって、主人公「ゴブリンスレイヤー」が倒すのは「ゴブリン」のみ。請け負う仕事はゴブリン退治のみ。人生のすべてをゴブリンの襲撃に備え、ゴブリンを退治することに捧げている、そんな変わった男です。物語が進むにつれてそんな主人公も徐々に心を開き社会に馴染んではいくのですが、しかし、ゴブリンを駆逐することに人生のほぼすべてを捧げる姿勢は変わらない。なぜそうなったのか、物語の中でもその過程は少しずつ語られるけれど(外伝に描かれてる)、説明的な描写がなくてもゴブリンの所業、社会への影響、被害、それに対する人間側の対抗、ゴブリンスレイヤーの活動を見ることで詳しくはわからないのにそのその心情が納得出来る、そんな描写の奥深さがとてもいい。
「ゴブリン」とは
日本語で書くと「小鬼」。RPG(ファイナルファンタジーシリーズなど)の初期に出てくる雑魚モンスターで、ドラクエで言えばスライムのような存在。スライムと違うのはある程度の知能を持っていること。大型のもの、魔法を使うもの、集団を統率するもの、王となるものなど様々な変種がうまれることがあり、1匹は弱くても集団になると脅威になる。ファイナルファンタジーでのゴブリンのイメージ。「ゴブリンスレイヤー」でのイメージも大体これに近い。こんなにポップな格好じゃなくもう少し野生に近いけど。
キャラクターに名前は無く、主人公は顔を出さない
主人公は「ゴブリンスレイヤー」、ヒロインは「女神官」「牛飼娘」「受付嬢」、仲間は「エルフ」「ドワーフ」「リザードマン」。属性を示す言葉がそのまま呼称になっていて、明確な名前はない。が、それでもきちんと感情移入出来てしまう不思議。また主人公はゴブリンの襲撃に備えて常に兜を被っているので、顔を出すことがない。食事中も外さない。それでも物語の中では治療や、兜の修理などで脱ぐシーンはあり、仲間や街の人間たちは素顔を知っているのだけど、読者には明かされない。曰くかなりのイケメンらしいのだけど(そしてまだ20歳だ)、まあそれはでも今後もずっと明かされないままで良いかなという気がします。明かされなくても十分カッコいい。
なにより全編にわたって描かれるゴブリンスレイヤーの「無駄なものを極力省く」というスタイルが、名前が無いことや、素顔が描写されないこととよくマッチしていて違和感がないし、たまにある日常パート(ゴブリンスレイヤーにとっては非日常かも知れないが)が、それ以外の状況との対比になってほどよい緊張感を保ってくれています。祭でロマンスが進行してもどこかで何か起きそうで、テンションが下がらない。
単行本を買ってしまうかも……
マンガアプリ「マンガup」で毎日無料分(約1.5話)を見続けているのですが、そろそろ毎日付与される無料ポイントだけで読める範囲が終わってしまいそうです。そうなると、0.5話を読むごとに30秒程度の動画広告を見る(最大1日5回)という非常に面倒くさいことになるわけなので、それならとっとと課金して先を読もうということになるのですが、1話読むのに掛かるコストは60円。単行本1巻で大体5話ぐらいなので、1巻分読むのに300円。これ、中古で買うより高いんだよなあ。ただ10巻て結構場所取る。少し前にだいぶ整理したから置き場はあるけど、いきなり埋めてしまうというのも。電子書籍で買えば場所取らずに済むけどそれだとAmazon Kindle版で628円。悩ましい。今読んでいるのがだいたい7巻に入ったところぐらいだから、この先まだ3巻分はある。気になる。他の無料で読めるコミックではここまでは思わなかったから、これもまた「ゴブリンスレイヤー」の人を惹きつける力なのかも。買っちゃおうかな……
あ、ついAmazonの在庫を調べるのに夢中になってた。「ゴブリンスレイヤー」オススメです。スクエニのマンガアプリ「マンガup」や「ガンガンONLINEアプリ」などで読めるので、良かったら読んでみてね。