多分、誰かに言われたことがあるんだと思うんですよね。
親ではなかったと思うんですが。
僕は割と食事中も水分を摂るタイプで、実家でも食事中は水を飲みながら、食後はお茶を飲むというのが習慣でした。今でも結構そんな感じなんですがずっと前(かなり前、20代の頃だと思う)に誰かに「そんなにたくさん水分摂ると胃酸が薄まって消化が悪くなるよ」と言われたことがあって、特に疑問にも思わず「そんなもんなのかな」と思ってました。気にして水を飲まないようにするってことはないないけれど、ガバガバ飲むのは止めようと思った思い出があります。そのまま今まで来てました。
でもふとしたときに「それデマらしいよ」という話を聞いて、あ、そうなの?
調べてみたらそのデマの大元と、それに対する反論を調べてまとめてくれている人がいました。素敵。普段だったらいろいろと調べ物をするんですが、このまとめが大変良い出来だったので全てそちらに丸投げします。ぜひご一読ください。
「食事のときに水分をとってはいけない」はデマ、大うそ | よしなしものがたり
家に帰ってからグーグルさんに「食事中に水を飲まない」を聞いてみた。そしたら、あるあるある、「食事中の水分摂取ですが、実はダイエットや美容のためにはどうやらとらないのが正解のようです」とか、「食事中に飲み物を摂取すると消化を助ける唾液分泌を弱めることが分かっています。 胃液が薄まって消化に良くないからダメ!」とか、ウソが無数にありました。
どれも似たりよったりの内容で、表現や言い回しもそっくり。これはほとんどコピペ増殖したものばかりですな。どこからこんな大うそが大発生したんだろうと思いながら、たどっていくと、どうもこの「食事のときに水分をとってはいけない」というとんでもなくデタラメな話の大本は、米国の女性ライターのサラ・ノヴァク(Sara Novak)らしい。彼女は結構有名なライターで食糧問題や食糧政策、食の安全などを専門にしている。
で、読んでみるとこの「食事中に水分を摂ってはいけない」、アーユルヴェーダの考えに行き着くみたいです。へー。そうだったんだ。
アーユルヴェーダが正しいかどうかはさておき、古代の考え方に現代の科学をこじつけて広めるというのは、健康系意識高い層にありがちな論理展開で、血液が酸性になるとか、酵素を摂取するとかそういうのと同じ系統の話ですね。科学的な話をするのであれば、血液は酸性にならないし(人間の血液はpH7.3以下になったら重大な病気です)、酵素を摂取してもアミノ酸に分解されるだけだし、水分を摂取した胃酸は即時に元に戻ります。胃酸てpH1.0とかですからね。考えてみればごくごく当たり前の話でした。
食事中に水分を摂っても胃酸は薄まらない。
はいここテスト出まーす。
水分は摂っても流し込まないように気をつけるとより美味しい
水を飲むべきではない、には別の論もあります。食事中にお茶を飲む必要はないのでは?(執筆者:管理栄養士・体育学修士 河谷彰子氏) – 生活の知恵をもとめて
食事中に水やお茶を飲むと、胃酸が薄まって消化の妨げになるという情報もありますが、健康な人であれば、胃酸が薄まる心配はありません。飲んだ直後に、多少薄まるとしても、すぐに戻るからです。(胃酸はそれだけ強酸性だからです。)
(中略)
食事中は水分無しで、よく噛んで素材の味を十分に味わってみませんか?
胃酸が薄まることはないと前置きしつつ、水を飲みすぎると流し込むような食べ方になり、咀嚼が減ることがあると指摘しています。全体を読むと管理栄養士の割には若干スピリチュアルな話になっていますが、この部分に於いてはなるほどなーという感じです。確かに流し込むような感じで食べる人っていうのもいますね。忙しいサラリーマンの昼休みとかそんな感じです。もしかして消化不良になるのは水分で胃酸が薄まるからではなく、水分があることでよくかまずに食べているからでは……水分無しが良いとは思いませんが、食べ方には気をつけるべきかも知れません。
僕は卵かけご飯が好きで良く朝食に食べるのですが、アレも同じような問題があります。噛まずにかっ込めてしまうんですよね。絶対消化に悪い。なので最近はよく噛むように気をつけています。卵かけご飯(お茶漬けや雑炊も)をよく噛むって馬鹿らしく思うけれど、でもやってみるとそれはそれで結構美味しい。美味しい時間が長く続く。よく噛んで、飲み込んで、それから水分を摂る。
子供に指導するときも、水分のありなしではなくて、正しい食べ方を教えるようにするといいかも知れませんね。