【12月20日 AFP】「ポリティカル・コレクトネス(政治的な正しさ)」はもう十分──。米国の大学が実施した世論調査で、公の議論が現状よりも政治的に正しくなることに反対する米有権者が全体の52%に上ったことが19日、明らかになった。本音を言えないとしてポリティカル・コレクトネスに敵対的なドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領やその支持層に代表される、米社会に広がる「反PC」の雰囲気を反映した結果と言えそうだ。
米国民に「ポリコレ疲れ」 52%が一段の「是正」反対、トランプ時代映す 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News
「政治的な正しさ」と訳すとちょっとピンと来ないけれど、要は、差別や偏見を助長するような用語を公共の場所で使うのは控えましょうという活動のこと。例えば、「看護婦」が「看護師」と呼ばれるようになったこととか。
wikipediaでの記述は以下の通り。
ポリティカル・コレクトネス(英: political correctness、略称:PC、ポリコレ)とは、日本語で政治的に正しい[1]言葉遣いとも呼ばれる、政治的・社会的に公正・公平・中立的で、なおかつ差別・偏見が含まれていない言葉や用語のことで、容姿・身分・職業・性別・文化・人種・民族・信仰・思想・性癖・健康(障害)・年齢・婚姻状況などに基づく差別・偏見を防ぐ目的の表現を指す[2][3][4]。
ポリティカル・コレクトネス – Wikipedia
1980年代に多民族国家アメリカ合衆国で始まった、「用語における差別・偏見を取り除くために、政治的な観点から見て正しい用語を使う」という意味で使われる言い回しである。「偏った用語を追放し、中立的な表現を使用しよう」という活動だけでなく、差別是正に関する活動全体を指すこともある。
ポリティカル・コレクトネスは差別是正活動の一部として、英語だけでなく日本語など英語以外の言語にも持ち込まれ、一部の表現の置き換え・言い換えにつながった。
もちろんこの否定がそのまま差別主義の蔓延とかそういうことではなく、記事中でも「現状よりも」と書かれているとおり、もう十分ってことなんだろうけど、この辺のさじ加減は難しいですよね。日本でもどうしても使う必要がある表現じゃ無いのであれば、置き換えていってもいいのかなとと思う一方で、「言葉狩り」とか揶揄されることもあるわけで、なかなか上手くバランスとれない感じ。そうした中で、アレもダメコレもダメとなっていった結果、もういいじゃんてなる気持ちはわかる気がします。
ただ記事内の調査は続きがあり、トランプ大統領支持層(共和党支持者)では76%が現状以上のポリティカル・コレクトネスに反対、逆に民主党支持者では55%がさらなるポリティカル・コレクトネスに賛成。まったく真逆の結果が出ています。外から見ると、あんなめちゃくちゃな言動の人間を支持してかつ大統領に据えるなんてどんな神経してるんだと思うんですけど、実際問題、アメリカでどんな人が支持してるのかというとそういうことなんですよね。アメリカもだいぶ危ねえなあ。
記事の〆に、
民主党支持層の67%は、言論が粗雑になっているのはトランプ大統領に原因があると回答。一方、共和党支持層では58%が、トランプ大統領が「国民の敵」と呼ぶメディアに責任があるとした。
米国民に「ポリコレ疲れ」 52%が一段の「是正」反対、トランプ時代映す 写真4枚 国際ニュース:AFPBB News
ってあるけれど、どう考えたってトランプ大統領のせいだよなあ(笑)
もちろんそれに付き合っているメディアに責任がないとは言わないけれど。
でも、ある意味で、こういう人間を大統領に就けるところがアメリカの強さだとも言えるかも。率直な感じって言うか、良いと思ったことを周りに忖度することなく実行する勇気というか。日本なんて、新しい首相がちょっとでも「普通の人間」と違っているとすぐ叩かれるからなあ。むしろ叩かれるくらいの人が首相になった方が、盛り上がってみんな興味持ってくれて良いとさえ言えるかも。潰瘍性胃腸炎を揶揄したり、死ねと言ったりするのは全く歓迎できないけど。