育成すること育成されること、モデル、コミュニケーション。

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Webエンジニアとして復職して8ヶ月半ほど経ちました。ほとんど素人として飲食店に入った経験から、自分の実力を相手に適切に伝え、必要なアドバイスや指摘を引き出すようにしていったほうが結果的に早く上手くなるということを学習していたので、前回までの自分が何が出来て何が出来なかったのかを整理し、例えばパーツとしてのコーディングは出来ても全体を見て設計するだとか、誰が見てもわかりやすいコードを書くだとか、Webエンジニアとしては能力が足りない部分が多くある(かなり偏っている)ということを伝えながら、出来る範囲で作業しつつ不足する分は随時補えるよう努力するということを目標に働いてきた8ヶ月でした。40歳過ぎたエンジニアがやることじゃないですが、40歳過ぎてるからってコストが高いわけでもないし(バイトだし)、出来ないもんは仕方ないし、ゆっくりであっても成長は出来ているので、トータルで見れば貢献できているかなという感じです。驕らず謙虚に行くのは大事。



で、なんとか業務がスムースに回るようになったのはもちろん僕自身の努力と成長もあるのですけど、一番大きいのは僕に作業を振る役割をしている上司が、かなり気を遣って仕事を振ってくれていること。そう言われることはないけれど、どんな作業をどんな順でどんなタイミングで振るのか結構悩んで考えてくれているみたいで、次にこういう系統の仕事を振って行きたいから、その前に少し簡単な案件でこのプロジェクトにおけるこの手の作業の実装方法について学習しておいて欲しい、とか、次に振る作業でプロジェクト内のこの部分の処理群を触ることになるから、その前にリファクタリング兼ねて少しボリュームの小さな作業でそこを見ておいて欲しいとか。言葉で言われなくても、まあ、わかりますよね。振られるチケットを見ていれば。その彼が振ってくれるチケットを順にこなしていけば、自然とプロジェクトの仕様がコードレベルで解るようになってるっていうね。


彼には気を遣わせてしまって本当に申し訳ないけれど、そうした積み重ねの結果、ようやく、細かい改修作業を僕が引き受け、彼は大きな新しい機能の開発に取り組めるかなあというところまで来ました。OJTかよ。社長曰く「システム更新時にそうして欲しいなんて思っていなかったおかしな仕様がまだ1,000個以上ある」とのことなので(ほんとかよ、色んな意味で)、まだまだ直す作業は続くんだと思いますがそういう現状はさておき、「もうちょっとやれる人材取ってくれよ」という思いはあっただろうに、それでも「現状を改善するために必要なことを考えて実行していく」という方針を立てて、我慢しながら実行している彼の頑張りは大事だなと思っています。「おっさん、使えねーな」というのは簡単なんですが、それ言っても特に改善できない場合にどうするかっていう現実的な目線。僕だったら出来たかなあ。まあ使えないおっさんでもそれを自覚して成長を望んでいたからこそ、彼も手を差し伸べてくれているのかも知れないけれど。もっかい書くけど、驕らず謙虚に行くのは大事。


社会人生活20年つったって、社会状況は変わっていくし、ビジネスの状況も変わっていくし、技術は進歩したり変化したりするし、経験のほとんどはゴミみたいなもの。そんなゴミみたいな経験、前提条件が1つ崩れたら役に立たないような経験を支えに、全く状況の違う今の世の中を生きる若者に偉そうなことを言う人間にだけはなりたくないし、そんな大人は嫌い。過去の経験の中から、応用して使える部分だけを残して後は綺麗に忘れて、常に状況に柔軟に対応出来る自分でありたいと、改めて思う今日この頃です。


そして、もし自分がそういう上の立場にいるのであれば、そういうことを考えられるような育成をできたら良いなと思います。どうなって欲しいというモデルを持ち、そのために必要なことを準備し、コミュニケーションを取りながら前に進む。まあ、飲食店の方で大学生相手にそういうことをし続けているけれど、人によって個性があるからなかなか簡単ではありません。簡単ではないけれど、僕って言う難しい人間相手にきちんとそういうコミュニケーションを取れる人がいることを考えれば、やれば出来るんだよなあとも思います。自分で言うのも何だけど。飲食店を卒業していった大学生たちも、新しい職場で良い上司に恵まれていますように。あいつらもそれぞれしいヤツらだからなあ。誰とは言わんけど。