走り込みが不足してたり、直前に膝を痛めかけたり不安要素はたくさんありましたが、なんとか完走出来ました。やっぱり、周りのランナー、応援の声、ボランティアさんたちの声援が本当に力になってくれました。本当にありがとうございます!いやあ、ほんとよかった。
今回の戦略
やりたいことはあれもこれもあるけれど、そのすべてを達成出来るほど余裕がなく、正直完走ギリギリくらいの自信しか無かったので、どこにエネルギーを集中させるかを事前に決めて、その達成のためだけに全力を尽くしました。ちゃんとした地力があれば、そんなの必要ないんでしょうけどね。で、今回の最大の目標は、
38km地点からの、百万遍~白川通の上り坂を走りきる
去年はそこに至るまでに既に足がつりそうになって何度か歩いていて、上り坂自体もほぼ歩き。その後の下り坂でペースアップしてなんとかネット5時間切りはしたものの、敗北感が強くてずっと悔しかったのです。初マラソンを完走出来た喜びより、その悔しさの方がずっと強かった。あの坂で絶対に負けたくない。負けない。そのための準備期間としての、38km。
それが、僕の今年の京都マラソンでした。
道中振り返り
スタートから15kmまで
同じような実力の人たちと走っているとは言え、スタート時点はみんな元気だし、ほぼ平坦だし、第1関門に対する不安もあるから(後ろのグループはスタートが10分くらい遅れるので)、少し早めのペースで入るんですよね。周りがそうだからつい自分も釣られちゃう。でもそこでペース上げちゃうと絶対後でしんどいので、意識してかなり遅いペースで入りました。僕の目標タイムから出した平均ペースが6分20秒から45秒くらいのところ、最初の7kmのペースは6分50秒くらいで入ってました。景色を見ながらゆっくり。で、そこから広沢の池、きぬかけの路と入っていくわけですが、そこでもみんなペースアップしがち。上り坂とかもりもり上っていくんですけど、僕らくらいの実力の人がそれやると後で絶対脚に来るんですよ。ホントマジで。なので、周りにどんどん抜かされるくらいのペースでゆっくり上り、ゆっくり下るを心がけていた……つもりなんですけど、スプリット見てみると7~13kmの間のペースは平均で6分39秒。自分では7分/kmくらいのつもりだったので、随分早いです。やっぱり抜かされていくのに焦ってたのかなー。というか、周りの人が早すぎるんですよ(笑)それでガンガン抜かされてましたし。なだめすかしてたつもりだったんですけど、周りに合わせて自分も早くなってたんでしょうね。なかなか難しい。
そうそう、上手にペース維持出来なかったのにはもうひとつ問題があって、事前に安いスマートブレスレットを買って装着し、タイムの計測をしようと思ってたんですよ。でもね、これが失敗で。安物だからか輝度が異常に低くて、日なただと全く見えない。手で影を作っても見えない。いつも走るの夜だったので気付かなかったんですけど。なので、レース中ほとんど役に立ちませんでした。ペース確認しながら走るつもりだったのに……。やっぱりきちんとしたの買わないとダメですかね。ぐぬぬ。
13kmからは馬代通り、上立売、西大路、北大路。道幅が広くなって走りやすいので、自分のペースを作りやすいです。やっぱり狭いところだと自分が早くても遅くても、周りに合わせざるを得ないところがあるので……
20kmまで
今宮門前、船岡東、御園橋、加茂街道、西加茂橋とわずかに上っていく道。上りが一定していて比較的走りやすいので、ペース上げすぎ注意と事前情報であったので、ここでも自分をなだめる。最初の疲れが出てくるのもここなので、疲れが出てきた箇所を確認しながらフォームを調整しつつ、走る場所も上手く選びながら前へ。前半の基本的な戦略は、以下の通りでした。
- 20kmまでは遅いペースで我慢する
- 20kmを過ぎたらペースを上げる
- あと10km地点(32.1kmの給水所)まで脚に不安なく辿り着く
やっぱりね、加茂街道みたいに景色が良く、風が爽やかで、道幅もある程度ある場所だと、気持ち良く走ってしまいがちなんですよね。これが10km走とかだったら別に良いんですけど、まだ残り25kmくらいあるので我慢しないと。ひたすら我慢。相変わらず、脚に疲労は来てるけど息は全く切れない感じ。口閉じて走ってるし、顔は笑顔だし、声も出るし。体は余裕ですね。
32.1kmまで
前回は北山通にある中間点過ぎてすぐに膝裏が攣りそうになってました。今思うと、前にツッコみがちなフォームで走ってたんだろうなと思うけれど、今回は大丈夫。20km地点で1本目のエナジージェル(炭水化物補給タイプ)を飲んで、ペースアップ。この時も自分の予想よりも早いペースで走ってて、20~24kmの5kmを6分/km切るくらいのペースで走ってました。確かに気持ち良かったです。ずっとこのペースで42.195km走れたら良いんですけどねえ。それにはまだまだ。ちょっとペース上げすぎたかなーと思ってたところで、5時間のペースランナーの人を捕まえたので、それに合わせてしばらくはペースダウン。僕のネットタイムは8分半くらい遅れてるので、5時間のペースで行けば大体去年と同じくらいのペース。で、26kmくらいまでそのペースで休んだあと、少し前に出て府立植物園へ。
植物園内は意外にアップダウンがキツいし、道幅も狭いので無理せずゆっくり。途中、職場のスタッフが2人沿道にいて声掛けてくれて嬉しかったです(笑)多分、社長を応援に来てたんだと思うけど。
で、鴨川に出て少しペースを上げようかなと思ったけれど、やっぱり狭いんですよね。ペースを落とし始める人も増えてきて、それを避けながらペースを上げていくのが難しくて、仕方なく少しペース落とし気味。スプリットを見る限りでは、植物園出て鴨川河川敷に降りるまでが6分10秒くらい、でもその後は6分半くらいのペースで。でも結果的には、そのくらいのペースで走って良かったんだと思う。6分10秒で走り続けてたらその後しんどかっただろうし。
そうこうしてるうちに目標の残り10km。30kmで2本目のジェル(ミネラル補給タイプ)を摂取して、後半に備えます。体力は十分。脚は、両ふくらはぎがときおり張る感じがするほか、右太ももの付け根に痛みが出始めていて不安はあるものの、全体としてはまだまだ大丈夫。なにより残り10kmしかないわけだし、より一層楽しんでいかないと。
37kmまで
37kmまでは街中を走るコース。それほどアップダウンがあるわけでなく、声援も多く、走りやすいです。途中意識的にペースダウンした箇所もあったけれど、まあまあ良いペースで。34km付近では彼女の人も応援に来てくれました。ありがとう。「調子はどう?」「楽勝だね」というセリフは、まあ前提条件とか去年に比べてとかいろいろあっての「楽勝」だったんだけど、実際のところ体は超余裕だったけれど脚はかなり疲れてたし楽勝ではなかったんだけど、自分を奮い立たせる意味でも声に出してみました。市役所前折り返しでいよいよラスト7km。こっからがなんかしんどいんだよなー。
そしてやってきました上り坂
37kmから38.5kmまでは京大界隈の緩い上り坂、そして38.5kmから39.5kmまでの1kmが問題の上り坂。走るまでは、なんでこんな上り坂を上がらせるようなコース設計にしたんだよ(怒)と思ってましたけど、これ要するに、「五山送り火すべてを見ながら走る」というコンセプトにしたがって、大文字山を見せるためにここ上がらせてるんですよね。そんなの丸太町からでも見えるだろ!と思わなくもないけれど、まあ確かに白川まで行った方が近くには寄れるし綺麗に見える。でもやっぱり要らん(笑)
今回はここにすべてを賭けるための38kmだったので、集中して黙々と。周りはさすがに歩く人多数。僕も極端にペース変えると攣りかねないので、歩く人やペースが落ちた人を上手く捌きながら、黙々と上がる。スプリットではだいたい7分/kmくらいで上がれてました。去年の同じところのペースが10分29秒/km、その前3kmくらいも8分半/kmくらいのペースで大きなブレーキになっていたので、戦略は大成功。決して早いペースではないけれど、ブレーキを作ることなく狙い通りのラップを並べられたのは本当に嬉しい。
最後は全力で
ここは去年と変わらず。心肺機能は全然疲れてないし、エネルギーも有り余ってるので、脚のことさえ考えなければペースは全然上げれるわけです。というわけで、折り返し後の40km地点からゴールまでは6分台前半、最後は5分半くらいのペースで追い込み。去年はそれでも最後も7分くらいのペースだったので、今年は最後まで余裕あったなあという印象でした。逆に言えば道中もっとペース上げても大丈夫だったのかも知れないけれど、それはまた次回の課題ってことで。
最終的なタイムは、4時間41分16秒(ネットタイム)。去年に比べるとちょうど15分くらい縮まりました。「4時間半切るのは無理だろうなーでもひょっとすると」と思っていたので、15分しか縮まらなくてそんなもんかという感じではありますが、でも内容は去年とは比べものにならないくらい良くて、しかも道中余裕あったからすごい楽で、かつ楽しくて、ほんとに短く感じた42.195kmでした。
感想と来年に向けて
もうね、素直に嬉しいです。ただ、去年から今年の間にトレーニングを積めたか?というと全くそうではなかったので、今年の15分のタイム短縮は実力の伸びではなく、ひとえに「体重が6.5kg減ったこと」と「戦略的成功」の成果だったと思います。特に体重は、去年のマラソン当日の体重が75.9kgだったのに対し、今年は69.4kg。そりゃ1割も体重減ってれば影響あるよね。距離が伸びるほどに影響があったと思います。ポジティブに考えるなら、まだまだ実力には伸びしろがあるんじゃないかと。
来年も出場出来たら、今度は「サブ4.5」を目標に。つまり4時間半切り。でも4時間半切りって、いまよりさらに20秒くらいペースを速めないといけないんですよね……前半20kmの入りは今回より少しだけ早いくらいで良いとしても、そこから38kmくらいまでのペースを6分/kmくらいで行ける脚を作らないと話にならないですね。出来れば痛みや違和感を生じないような脚づくり。もちろん最後の坂は歩かずに上り切り、最後は全力で。出来るかなあ。
去年はマラソン後に転職して全く走らない生活になってしまったけれど(その代わり心肺機能は超鍛えられた)、今年は今の疲労が癒えたらまた走り始めようと思っています。どこか近場のレースに出場出来ると良いんですけどね。ハーフでもフルでもないかなあ。ハーフなら4月か5月、フルなら6月くらい。探してみよう。
あー楽しかった。
来年も頑張ろうー。