「初期化」

作業する環境をこまめに「初期化」して同じ状態にしておかないと落ち着かないのです。


こういうの普通じゃないのかなと思っていたのですけど、他の人の仕事を見ていると案外そうでもない。それでみんな上手いこと仕事しているんですが、僕には難しい。別にマメな性格してるわけじゃないし、整理整頓が好きってわけでもないので、性格っていうかエンジニア気質みたいなもんだと思うのだけれど、これはここ、それはそこ、これは冷蔵庫の2段目の真ん中、これは冷蔵庫の横の棚の2段目の右手とか。自分の手元の状況をあるべき状態にしておきたい。


正直それらが他の場所ではない「そこ」にあること自体に意味はないし、そうでなくてはいけないということはないのですけど、根本的に技術が足りない自分は、それ以外の部分できちんと補わないと一人前の仕事ができないと思っていて、そのために出来うる限りの準備を事前にしておきたいのです。包丁を使う技術が不足しているなら、せめて常に包丁を切れる状態に保っておきたいし、ものを準備するスピードが足りないなら常に同じ場所に置いて追われてもすぐに手に取れるようにしておきたいし、味を決めるのに時間が掛かる(そしてぶれる)のであれば、ある程度分量を決めて「基準」を作っておきたい。欲しい時にものがなくて困らないように、こまめにチェックして補充しておきたい。


で、出来るだけいつも、「すぐに仕事が始められる状態」に「初期化」しておく。


事務仕事なんかでもそうなんですけど、普通に仕事をしている人と、ミスが多かったり仕事が遅かったりする人とを比べると、実際の手の早さとか頭の回転とかよりもまず準備段階で上手く出来てないなあと思います。さあ仕事をしようとなってまずものを探すところから始めるとか、前回どこまでやったか記憶を呼び起こして再開するとか(忘れてることも多い)、チェック項目をまとめていないとか。

パートタイムでエンジニアやってる会社の事務のおばさんもそんな感じで、1つ1つの作業の開始時と終了時に行うべき細かい作業、メモを付けるとか、記録するとか、周知するとか、そういう1分あれば済むことを面倒くさがってさぼるせいで、ミスが起きてリカバーに10倍の時間が掛かったり、すべき作業を忘れたり。大事なことは、ミスをしないことや忘れないことじゃなくて、ミスが起きないようにすることやそもそも記憶しないようにすることだったりするわけで、人によって様々コツをつかみながらみんな仕事しているんだろうと思うんですけど、僕にとっては「初期化」がそれってことなんでしょう。


作業にどう入るかの部分て、作業そのものと同じくらい大事なことですよね。

僕はそう思います。