前回の定点観測のあと、一旦1ドル99円台まで円高が進んだんですが、アメリカの雇用統計で予想よりも結果が良かったことを受けてドルが買われて週末の終値は1ドル101円18銭まで円安が進みました。ちょうど6月に一気に戻した円高分を取り戻した、くらいでしょうかね。
雇用統計に関してはこんな感じの記事が出てます。例によってロイターから。
ドル101円台、米雇用統計受け緩和縮小観測強まる=NY市場 | マネーニュース | 外国為替 | Reuters
5日終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが101円台に乗せ5週間ぶり高値をつけたほか、対ユーロでも6週間ぶりの高値を記録した。雇用統計が予想を上回る結果となったことから、米連邦準備理事会(FRB)が9月にも資産買い入れを縮小するとの見方が強まった。
6月の非農業部門雇用者数は前月比19万5000人増となり、予想の16万5000人増を上回った。失業率は労働人口の増加を反映し7.6%と前月から横ばいだった。
FXソリューションズのチーフ市場アナリスト、ジョセフ・トレビサーニ氏は、非農業部門雇用者数が予想を上回ったことで、金利は上昇しFRBの量的緩和終了時期が早まるとし、今後もドルを支援すると指摘した。
簡単に言うと、アメリカの景気が回復してきてる、ってことですねー。
前々回書いたとおり、市場の心理としては、
【ドル円】 ジリジリと円安で99円へ(執筆時点で98円83銭) 【定点観測】 | mutter
バーナンキ議長の声明は観測気球というか「お試し」だったということでおK?これで雇用統計でどうなるかだけど、どうなるんでしょう。普通で言えば、雇用統計好調→ドル買われる→円安、みたい感じになるんだけど、ここまでの流れだと雇用統計好調→やっぱり早期利上げあるんじゃね→リスク回避でドル売られる→円高、みたいな流れもなきにしもあらず?ていうか両方あるからよく分かんない値動きになってるのかしら。
ということらしいんですが、結果として円安に傾いてると言うことは、緩和縮小を見据えた上でさらにそれを乗り越える力強さを感じて円安、みたいな感じでしょうか。だー、これだからこの辺の値動きはよく分かんない。後付けであーだこーだ妄想するのは簡単なんですけど、今後起こることについては、事前にすべてのパターンを上げるのさえ難しいなあと思っています。まあそんなこと出来るならFXでもやりなよ、っていう話ですけどね。仮想トレードすらしたことありませんけど。
忘れてた、ユーロと英ポンドはどうなってるの?
ユーロ
英ポンド
久々なのでグラフのスパンを1年にしています。
ユーロが129円78銭、ポンドが150円69銭。
最後に書いた3/23のレートが、「ユーロは132円64銭、ポンドは155円34銭」だったので、それに比べると3%くらいの円高になってます。ただグラフを見た感じではむしろ円安に行きすぎたところから戻ってきた感じに見えるので、この辺は表面上落ち着いて見える現在のユーロ圏の経済状況を反映してるんじゃないですかね。
ただこんな報道もあるので……
焦点:ポルトガルの政治危機、ユーロ圏周辺国の構造問題を露呈 | Reuters
仏Natixisのチーフエコノミスト、Patrick Artus氏は、ポルトガルの経済だけでなく、税基盤が縮小し続けていることを懸念。「これはユーロ圏の最も大きな問題の1つだ。周辺国において、マクロ経済の基盤が縮小していて、どうやって過去の債務を返済するのだろうか」と疑問を呈する。ギリシャで既に見られているような景気後退のスパイラルだ。
同氏は、ポルトガルが欧州から債務の返済を先送りしてもらっているにもかかわらず、公的債務の対国内総生産(GDP)比率の安定化には程遠いと指摘。「通常の支払能力の定義に当てはめるならば、ポルトガルは明確に行き詰っている」と述べた。
ポルトガルには経済成長が不可欠だが、経済協力開発機構 (OECD) によると、同国の潜在成長率は年0.5%に満たない。
そんで、ポルトガル格付けが引き下げに。
UPDATE 1-ポルトガル格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げ、政局混乱受け=S&P | マネーニュース | 最新経済ニュース | Reuters
格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は5日、ポルトガルのソブリン格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。政局混乱によって、すでにぜい弱な同国の経済がさらなる打撃を受ける恐れがあるとの懸念を示した。
同国の長期ソブリン格付けは「BB」で確認した。
一応、ドイツは火消ししてるみたいですけどどうなることやら。なかなかに目が離せない状況です。
経済がやばくて政治も停滞したらそりゃねえ……うちもあんまり他国のこと言えませんけど……
鳩山とか鳩山とか鳩山とか……
ポルトガルの政局混迷、ユーロ圏の危機誘発しない=独財務相 – WSJ.com
ドイツのショイブレ財務相は4日、ポルトガルの最近の政局混迷が単一通貨圏の危機を誘発する恐れはないとの考えを示した。金融市場が現在、ユーロは加盟国内の混乱に耐えられるほど安定していると判断しているためだという。