というわけで新年明けまして、東京市場でも取引が始まりました。
外国為替市場は株式市場とは関係が無く、12/31から1/1の一部の時間帯を除いて取引が行われていたようなので「さあ新年」ということでもないようなのですが、昨年末からの円安傾向が持続していて軽々と87円を超えて87円台後半へ。昨日は87円台前半から夜になって86円台という流れだったので、そうは簡単にと思っていましたがなんなのこの軽い感じは…
一応今日の流れはこんなことみたいです。
〔外為マーケットアイ〕ドル一時87.56円に上昇、米雇用統計への期待高まる | Reuters
ドル/円は87.53円付近。一時87.56円まで上昇、約2年5か月ぶりの高値を付けている。強い米ADP米雇用報告などを受け、市場ではきょう発表の米雇用統計への期待が高まっており、「ドルを売りにくい状況にある」(外為アナリスト)という。ただ、期待値が高くなっているだけに、悪かった時は失望感からドル売り/円買いが強まる可能性もある。
投資目的で無く単純な興味で外国為替を見ていて思うのは、日本とは無関係の理由で自国の経済が左右されることはとてもたくさんあるということですね。日本がどんなに経営努力したとしても、アメリカの雇用統計の結果が悪くて円高に情勢が振れて企業によっては取引が何十億か目減りするとか普通にあるわけで、他国の経済や政治の状況を織り込んだ上で為替をコントロールしていくのはなんかもう想像付かない大変さだなあという。
専門家の皆さんによる2013年の見通しはと言えばこんな感じ。
13年見通し:ドル/円は90円超えも、日本のリフレ政策で上値余地 | Reuters
2013年のドル/円相場は、上値余地を探る展開になりそうだ。安倍新政権による積極財政と日銀の大胆な金融緩和の組み合わせで90円を超えて円安が進む可能性がある。ユーロ/ドルは、脆弱なユーロ圏景気が重しとなり、上値は限られそうだ。
「90円を超えて円安進むよ派」と「状況が大きく変わってないからレートも大きく変わらないよ派」に分かれているようです。両者を1つずつ引用すると。
13年見通し:ドル/円は90円超えも、日本のリフレ政策で上値余地 | Reuters
<バークレイズ銀行 チーフFXストラテジスト 山本雅文氏>
年前半は日本の材料で円安に振れやすく、年後半は米国サイドの材料によってドル高に振れやすく、どちらにせよ、ドル/円は上値を探る展開だろう。
安倍政権は財政金融両面から拡張政策を推し進めるとみられる。インフレ目標2%の実現に向けて円高是正政策も必要になってくるとみられ、年前半は円安期待が継続しやすい地合いとなるだろう。
「財政の断崖」問題があるものの、米経済は相対的に良好なファンダメンタルズを維持するとみている。2013年半ばには失業率は7.5%まで低下すると予想する。また、米国の景況感が相対的に強いことで、これまでのFRBのバランスシート拡大政策が見直され、年後半には量的緩和政策が縮小する余地がある。例えば、国債買取りを250億ドルの規模に圧縮し、エージェンシーMBSの購入は年末までに終了する可能性もでてくるだろう。
ユーロについても市場の焦点は次第にファンダメンタルズに移ってくるだろう。ユーロ圏はマイナス成長を抜け出すとみているが、米国に比べて景気が弱いためユーロ/ドルの下値余地は大きく、2013年末には1.22ドルになると予想する。
ドル/円 82―92円 ユーロ/ドル 1.20―1.34ドル
13年見通し:ドル/円は90円超えも、日本のリフレ政策で上値余地 | Reuters
日本の材料ではそれほど円安にならず
<三菱東京UFJ銀行 市場企画部 チーフアナリスト 内田稔氏>
ドル/円については、日本の材料ではそれほど円安にならないというのがポイント。日銀が従来通りマネタリーベースを増やす金融緩和を行っても、それほど円安にはなりにくい。マネタリーベースを増やすと、金利低下という経路を通って通貨安になるが、日本の金利水準はすでに非常に低いので、マネタリーベースを増やす金融緩和をたとえ無制限に行っても円安にはなりにくい。また、世界景気の改善による輸出増などで日本の貿易赤字は今年より減少が見込まれる。日本の需給環境の変化で引き続き円高圧力は強くないが、米国の経済情勢によってはまだ80円割れの可能性は残る。
ユーロは、イタリアとドイツの総選挙を乗り切るまでは安心できない。今年はギリシャ総選挙で反緊縮財政派が票を伸ばし、ユーロ離脱観測が突然高まったが、政治家と国民の意識のずれが表面化するのが選挙。ESM稼働などの方策でユーロショートの解消が進んでいるが、ユーロロングにするのは難しいとみる。ただ、ドイツの金利はゼロやマイナスまで低下しており、独米金利差からユーロ/ドルが持続的に下落するのは考えにくい。
ドル/円 78―86円 ユーロ/ドル 1.18―1.36ドル
それぞれに違う「理由」を述べていてどちらも説得力がありますが、これはどちらが正しいかという話では無くてどちらがより影響力が大きいかという話なんだろうなーと思います。マネタリーベースの限界はあってもそれ以上にドル買いが進んで円安になるかも知れないし、貿易赤字が改善されて円が買われるかも知れないし…専門家でもわからないのね。
安倍さんとオバマさん次第か…
ユーロとポンド
ユーロは114円32銭、ポンドは141円03銭。
ドルに比べるとあんまり動いてないですね。ドルに対してユーロが下落しているので、その辺で往って来いってことでしょうかねえ。ユーロの状況は心配ですね。