【ニューヨーク=小谷野太郎】連休明け7日のニューヨーク外国為替市場は、欧州の金融機関の健全性に対する不安が再燃し、円高が進んでいる。
円相場は一時、1ドル=83円51銭まで上昇し、8月24日に同市場で付けた1ドル=83円58銭を上回って1995年6月以来、約15年3か月ぶりの円高水準となった。
欧州の金融機関の健全性を審査した「ストレステスト」で、一部の金融機関がリスクの高い資産を過少申告していたとの懸念が強まり、低金利で相対的に安全とされる円が買われている。
午前11時30分(日本時間8日午前0時30分)現在、円は対ドルで前週末比58銭円高・ドル安の1ドル=83円80~90銭、対ユーロでは同2円20銭円高・ユーロ安の1ユーロ=106円50~60銭で取引されている。
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一方、7日の東京外国為替市場で、円相場は一時、1ドル=83円73銭まで上昇した。東京市場で83円台を付けたのは約15年ぶりだ。
(2010年9月8日00時50分 読売新聞)
記事は昨日のNY外国為替市場の結果を受けてのものなんだけど、東京でも流れは大して変わらず、これ書いてる今現在(9/8 15:09)は1ドル83円43銭に。他の通貨も同様に円高で、1ユーロが106円11銭、1ポンドが128円36銭。ここ1年で見るとドルとユーロは最も円高、ポンドは今年3月の水準(126円74銭)に迫る勢い(画像はStooqより)。
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僕自身は金融の知識があるわけでもないし投資してるわけでもないので、「どうしてこうなった…」と思うばかりなのだけど、いや本当にどうなるんでしょうねぇ。勤務先は「輸入企業」なので、今まで円安や値崩れや同業他社の不必要な廉売に圧迫されてきた状況が少しでも緩和されてやれやれなのですけど、でもこれで経済が停滞して、顧客の懐事情が悪くなったら意味無いわけで本当に悩ましい。円高だから送料含めても個人で輸入した方が早いやとかなることも考えられるし。
でも、円高で厳しいって答えてるの3社に1社しかないんだな。
2010年8月24日に15年1か月ぶりに1ドル83円台をつけた円高水準で、企業の3社に1社が売り上げに「悪影響が及ぶ」と回答したことが、帝国データバンクの調べでわかった。
同社の「円高に対する企業の意識調査」によると、円高が自社の売り上げに対して「悪影響」を与えると回答した企業は、全体(1万1578社)のうち、36.7%(4246社)となった。「好影響」を与えると答えたのは6.9%(803社)で1割にも満たなかった。
「悪影響」を業界別にみると、製造業の47.4%(1558社)が円高を「悪影響」としており、なかでも「機械製造」や「輸送用機械・器具製造」、「精密機械、医療器械・器具製造」、「電気機械製造」などでは6割を超えた。運輸業などでは、輸出減による間接的な影響を懸念。旅館・ホテルなどでは「外国人観光客が減少する」との意見もあった。
3社に1社を「多い」と思うか「少ない」と思うかは人それぞれだと思うけど、最も円高になった1995年4月19日(一時79円75銭に)頃のことを考えると、なんかもう日本はもうおしまいだみたいな話になってたはず。それを考えると今はそこまでではないような。
日本の産業構造も変わってきて円高に対応できるようになった、のだったらいいのだけど、95年の円高以来の産業流出で空洞化が進んで、円高の影響を受ける企業が少なくなったということだとなんかより悪い気も…
なんかよくわかりませんけどね。