PCを中心とした中古情報機器の再利用を促進する一般社団法人 中古情報機器協会(RITEA)が7月27日に発表した2009年度の中古情報機器の国内販売台数実績によると、PCは前年度比10%増の192万2000台となった。
(中略)
ちなみに、調査会社のMM総研が先頃発表した新品PCの2009年度国内出荷台数は、前年度比4.8%増の1390万8000台。新品に比べて中古品は倍以上の伸び率を示した格好だ。
しかも中古品の伸び率は、2007年度が前年度比30%増、2008年度も同10%増だったので、3年連続で2ケタ成長を遂げたことになる。これに対し新品の伸び率は、MM総研の調査によると2007年度で同0.1%増、08年度で同1.8%増と微増にとどまっており、中古品と新品における勢いの差は歴然としている。
(中略)
では今なぜ、中古PCが売れているのか。背景にある大きな流れとしては、個人および企業ともここ数年の景気低迷の中で、低価格な製品を求める傾向が強まってきていることが挙げられる。
- 不景気で設備投資を抑えたい
- マイクロソフトの中古PC向けライセンス
- エコ
- クラウド化
確かにこれらもそれなりに理由にはなると思う。特に安くあげたいってのは企業はどこも切実にあると思うし、加えて正規版OSが安心して使えるなら言うこと無い。クラウド化も進んでる。まぁエコはどうでもいいけど。
でも一番大きな理由はスペックだと思う
ただ僕個人として思うのは、機器の進歩に比べると業務内容は別に高度になっているわけではなく、必要なアプリケーションがサクサク動くという程度ならば古いPCで十分だ、というのが一番大きな理由なんじゃないかと思う。HDDの最大容量が年々増えていってるけど、音楽データはいつまでたっても1曲5MB程度、ってのと同じ。だんだん最新機種は必要なくなってるんじゃないか。実際、業務で使用するPCを選定する際、これまでは同じメーカーのノートブックでもある程度スペックがあるラインを選択しないと動作がもっさりで結局、非効率になる…という感じがあった。だからPCが安くなった現代でもなんだかんだで1台15万くらい出していたし、故障したら修理していたのだけど、前任者がいなくなって僕が選定することになり、エントリーとミドルの間くらいのPCを選択して配布してみたらば、それが全然問題なく使えた。価格はだいたい1/3程度。前任者と違って自前修理が出来ないということで、故障したPCの修理をサポートセンターで見積もってもらったのだけど、修理価格よりもPCの方が安い。最新OS付きでこれならいうことない。
スペックで言えばかつて上位クラスだった中古PCでも同じ。
記事を読んでMARを提携している企業の中にソフマップがあったのでオンラインショップを覗いてみたのだけど、今うちの会社で現役の機体が大体5万円前後で手にはいる。OSはWindows XP Professionalだけど、業務上支障がないことは確認済みだし、保証も付けられるし、むしろこれでもいいかもしれない。新品の、それも最上位クラスなんか要らない。
だいたい業務の半分くらいは自前のWebアプリケーションで行える(以前はネットワーク内の共有PCに置いたAccessを使っていた)し、メールはクラウド化したし、その気になればドキュメント類も片っ端からクラウド化できる。出来ないのはブラウザ設定と音声編集くらい。高度な画像編集を必要とするデザイナ、IDEや仮想環境を動かすのにメモリが欲しいプログラマを除けば、PC端末はしょぼくても困らない。だったら安価で均一なPCで十分。
もはや、PCのスペックを上げる必要があるのは、業務では、新しいOSが出たときくらいしかないんじゃないのか…とさえ思えるなー。それだって耐えようと思えば耐えられるし。そりゃ、中古PCも売れるよね。