【読書感想文】 竹宮 ゆゆこ / とらドラ・スピンオフ!〈3〉―俺の弁当を見てくれ
原作も既に終了していた「とらドラ!」からまさかのスピンオフ続編が!と思ったらば、つまりは、様々な媒体にバラバラに掲載されて単行本未収録となっていた文章をまとめて出した短編集、と言うことで、時間軸も様々な文章がいくつか。
一応、時間によって人と人の関係性が大きく動いているので、それがわからないとなかなかわからない部分もあるのだけど、その辺は巻末で竹宮ゆゆこさんが解説してくれているのでそれを参考に。
全体の印象としては、なんだろうなー全体的に夢オチ?それぞれ原作を題材にしながらそれに影響を与えないような形での「妄想」的なストーリーって言うか。少しついて行きづらいのや、非常に重いもの(泰子が竜児を身ごもった頃の話)もあったけど、原作に描かれなかった舞台設定(夏祭りとか)は、随分良いなぁと思って読みましたです。
個人的に気に入った話は…やっぱり『ニセとら!』ですかねぇ。強がりつつ、お祭りに行きたくて仕方がない大河が可愛い。
それからやっぱり最後の書き下ろし短編、『ラーメン食いたい透明人間』が良かったですね。時間帯は大河が学校を止めたあとで、主人公は能登。本編ではケンカ以外殆ど大きな変化が無く(春田でさえ彼女のとのエピソードがあったのに…)、非常に地味な存在だった能登が、勇気を出して頑張ってみたストーリーは、なんだかもうね。凄く懐かしい情景でしたよ。うん。なんか良かったなぁ。
これで『とらドラ!』は完全に終了、本当の最後。
そうかー。
好きになった作品が終わるのは残念だけど、仕方ないよね。ありがとうございました。