多分何よりも重要なのが、趣味嗜好の多様化により「こういう曲が好きなんだけど最近こういう曲ないよねー」というシーンが増えてきていることだろう。私の同年代(20代後半?30年代前半)ではそろそろ”オリコン新曲を追いかける”ことをやめ、懐かしい曲を中心に聴く人も増えてきている。具体的には90年代ソングなどだ。
僕は音楽に関しては、暮らしてる領域が若干普通の人とは違うので、
最近のオリコン上位の曲がどんな感じで捉えられているかは、
ブログを通じてしかわからないんだけども、
音楽全般に対する趣味嗜好の多様化ってのは結構感じることがあるかな。
もともと音楽好きって言う人たちは基本的にそういうところがあって、
「好みが明確であること」や「好みが人によって違うこと」っていう所で住み分けたり、
論争を起こしたりして生きてきているわけで。
ジャンル分けにしても、アーティストの方はある程度自由に作っているところ、
聞く方の誰か(ライターとかバイヤーとか)で勝手に分けているだけなので、
そのジャンルで好みをばっさり規定するとか実は難しくて、
このアーティスト好きだから必ずこっちも好き…とは限らなくて、
1つのジャンルであってもその辺の趣味嗜好は、結構人それぞれ。
ただ、オリコンという商売が成り立つことでもわかるように(オリコン→ビルボードでも良いよ)、
大して音楽好きというわけでもない人たちにとっては、
とりあえずみんな知ってる曲は知っておいて、
カラオケで歌うとか話題にするとか、音楽をツールとして使うっていう目的もあり、
その目的はそれはそれで立派な役目を果たしているんだけども、
一方でそういうのから離れて、自分の好みをより強く反映してくれる、
そういう音楽に惹かれる人ってのは増えてるのかもと。
ロットが小さいからオリコンには載らないけど。
それは、アニメだとか初音ミクだとかファミコン音源だとかだけでは無しに、
J-POPに希釈されたんじゃない、本当のHipHopなりReggaeなりだったり。
そしてそれを希釈せずに日本人として表現してるアーティストとか。
そういうアーティストは増えてるような。
あくまで実感で実数ではないけどさ。
で、その実感からの逆算もふまえて、やっぱり好みが多様化してるんじゃない?と。
そして改めて思う。「ミクがメジャーを脅かす?ないないwwww」という嘲笑はいつの間にか乾いて引きつった笑いにならないか?メジャーについていけなくなったオッサンオバハンや、趣味嗜好が多様化して皆同じことをやるという文化が常識ではない現代のティーン層といったところから、序々にメジャーとネット発曲の境目が曖昧になってゆくのではないか。そして思ったより急激にそれが起こっているのではないかと感じる。supercellと桜ノ雨、そして下記の2曲(2歌い手)によってこの仮説は自分の中ではほぼ断定に近い感覚となっている。まだこのへんのコンテンツに触れていない30前後のオッサンがいたら、是非これらの曲をiPodやケータイにでも入れて通勤時に聞いてみてほしい。
『なんか、結構、相当、よくね?』と感じる方が多いのではないだろうか。
ミクや歌ってみたが「良い」ことにはもちろん同意なんだけども、
でも「メジャーに露出する」のはやっぱり本来的ではないんだろうなとも思う。
見た目、CDの売り上げが落ちているのは、結局さっきも書いたけど、
1つ1つが小さく、しかし広い範囲に売り上げが広がった結果、上位が沈んでるわけなんで。
「脅かす」という表現を読んだときに僕が想起したのは、
「ランキングを食う」という感じの印象(上位独占とか)だったんだけど、それはまあないかなと。
Supercellがここまで露出したのはかなり特殊で、
オリコンがきっちり拾えば話は別だけど、多分まぁ今後もそうは無いんじゃないかなーと思う。
んで、だからといって、オリコンに出てこない音楽が、
存在しないわけじゃないんだよ、むしろそういうジャンルに広がっていってるよ、
…ということなんだろうなーと感じる。