京都の通り名の組み合わせがわかりにくい件について

京都に住んで14年、京都ほど道に迷わない街もないなぁと思っています。
とりあえず歩いてればどこかの大きめな通りに出るし、
町中(東西北大路、南は九条くらいまで)であればこれ路地だろって道にも名前がついているので、
見覚えが無くても知ってさえいればある程度自分の居場所が検討つきます。
何年かに一度訪れるくらいだと厳しいかもしれませんが、
住んでしまうと(そして特に自転車で移動していると)、凄く便利です。


ただ、場所を知りたいだけ、行きたいだけであれば便利なこれも、
その場所の名前を「正確に」言おうとするとこれが案外うっとうしい。

京都の住所にはよくその町名だけではなくて「四条河原町上がる」とか書いてありますが、
あれって便宜上書いてあるもの…ではないんですね。何年か前まで僕も知らなかったんですけど。

引っ越しで住民票を移すために区役所に行った際に、
まぁ役所なんだから、通り名は要らないよね…と思ったら、必要だから書いてください、と。
新しい住所は縦(南北)の筋の真ん中らへんだったのでどうしよう?と思ったら、
職員の方が候補を4つくらい出してきて、だいたいこの中から選んでもらえればーと。
要するにあれ、利便性のための呼称じゃなくて、正式な住所の一部なんです。ちょっと驚き。


自分の住所くらいであれば、覚えてしまうから別に良いんですけど、
さて通りに出ました、この通りのこの交差点はなんて名前かな?っていうと実は結構面倒。
それが表題の「わかりにくい」ってことです。

基本的には、南北の通り→東西の通りで言っておけば間違いないんですけど、

例: 烏丸丸太町(烏丸通【南北】と丸太町通【東西】の交差点)

東西の通りがでかい場合には、逆になります。

例: 四条河原町(四条通【東西】と河原町通【南北】の交差点)

四条河原町は、四条がでかいから四条が先なんでしょうけれども、
同じ河原町通沿いでも、横の筋が三条通になると逆に。

例: 河原町三条(河原町通【南北】と三条通【東西】の交差点)

縦の筋が東大路だとちょっと特殊で、東大路通りと言わずに「東山」と言います。

例: 東山三条(東大路通【南北】と三条通【東西】の交差点)

別に、西大路は「西山」とは言わないんですが。


さらに住所となってくると、もっとやっかいで、片方だけ「通」をつけることが多いです。
次の例は、株式会社はてなの所在地です。太字の部分が通り名。

例: 京都府京都市中京区御池通間之町東入高宮町206 御池ビル9F(御池通【東西】と間之町通【南北】の交差点を東に)

例によって御池通の方がかなり大きいのでそちらが先に来ています。
んで、先に言う方の通りの方に「通」をつけて、後につける方には「通」を付けません。
確かに口に出してみると語呂が悪いんですよね。2回言うのは。


京都市上京区役所の場合も以下の通り。

例: 京都市上京区今出川通室町西入堀出シ町289(今出川通【東西】と室町通【南北】の交差点を西に)

室町通なんて、一方通行の狭い道なんですが、それにも名前がついていて、
それを目指してきてください、となってるわけで。初めて見たらわかんないですよね。。


住所の方でも通りの大小による順序は有効で、次の例は大垣書店の烏丸三条店

例: 京都市中京区烏丸通三条上ル烏丸ビル1階(烏丸通【南北】と三条【東西】の交差点を北に)

通りのイメージが出来ない人にとっては、どっちがどの通りなんだかさっぱりわかりませんよね。
どうせなら全部「東西が先」とか「南北が先」とか決めてしまえばいいのに、
それを敢えてせずに、住んだときに便利なように決めるってのがいかにも京都らしいです。
確かに通りをイメージできれば(つまり通りの大小を知ってさえいれば)、
この方がわかりやすいし便利なんですけどね。

ただ初めて見た人にとってはきっと、わかりにくいだろうなぁ、と思うわけです。



おまけ

交差点はだいたい上で述べたようなルールで名前が決まっていますが一部特殊な例もあります。
参考までにその一部をいかに上げておきます。

例: 百万遍〔ひゃくまんべん〕(今出川通【東西】と東大路通【南北】の交差点)
例: 祇園〔ぎおん〕(四条通【東西】と東大路通【南北】の交差点)
例: 大将軍〔たいしょうぐん〕(一条通【東西】と西大路通【南北】の信号1つ南の交差点)
例: 高野〔たかの〕(北大路通【東西】と東大路通【南北】の交差点)

その他にも神宮道(平安神宮参道)、清水道(清水寺参道)などもありますね。
わかっちゃえば普通より楽なんですが、周りがそれ前提で動いているもんだから、
それを知るまでは普通よりもよくわからない、そんな街です。実に。