今回の金融危機は資本主義の崩壊を端的に示すものである…
というような文意のことが書かれていました(こんなに堅苦しい言い回しじゃないけど)。
まー確かに一面として十分に事実ではあろうけれども、
つまり「現在の資本主義のあり方」が貧富の差を助長していると言う面はあるけれども、
それを即座に資本主義の否定に結びつけてしまうのは、ちょっと短絡的かなぁと。
結論としてそうなる可能性はあるけど、その前に考えることがあるんじゃないの?というか。
そういうわけで、別にそのマイミク個人への批判とか反論とかそういうことではなく、
個人的に自分にこんな設問を課してみた。
設問: さて、この世の中の貧富の差は資本主義によるものでしょうか?
これはよく考えて答えを出さないと、
数あるイデオロギーに簡単に流されてしまう原因になると思うのね。
きちんとした立証(客観的な分析と論理)ができるか、
現状に対する正しい分析が出来ているか、
またその結果として正しい対案を設定できるかが問われるんだろうと。
個人的に考えるポイントは以下。
- そもそも資本主義とは何か?貨幣制度と同一か?
- 資本主義が成立しない時代には貧富の差はない/なかったか?
- 資本主義以外を採用した国家には貧富の差はない/なかったか?
- 資本主義とは現在の形式のもののみを指すのか?
- 現在の状況を変えるとき取るべき方策は資本主義を捨てることか?
- それとも、資本主義の形態を改めることか?
- 人類に貧富の差は存在しないのか?
- 同時に生物一般に貧富の差は存在しないのか?
- 懸念を抱くべき「差」とはどんな差か?
- すべからく差のない状態が本当に理想郷なのか?
- そして、どうなるべきか?
- そして、どうするべきか?
「資本主義終わったな」という言葉は、ブームの終焉と同じように、
口当たりが良くて受け入れ易すぎる言葉なんだけど、
本来資本主義ってのは、「今から始めます!」って言って始めたものではなくて、
後付けで名付けられた社会制度だと思うので…
終わるも終わらないも無いんじゃないの?と言うのが率直な感想。
もしそれを止めようとするんであれば、かなりのコストを払う必要があって、
そして明確なビジョンがないとダメなんじゃね?っていう。
僕は、資本主義ではなくて、現在の資本主義の形態のあり方が間違ってるんだと思う…
…けど、もちろん専門家でもないのでなんとも。
ていうか、資本主義というよりも自由主義とか新自由主義とか、そういうことっぽいけどなぁ。
とりあえず、感想に引かれたので、この辺の本を読んでみたいと思う。
2010年資本主義大爆裂!―緊急!近未来10の予測 Ravi Batra Pema Gyalpo ペマ ギャルポ あうん 2008-02 by G-Tools |
21世紀のケインジアン さんの感想より抜粋。
ここで注意されたいのは、「資本主義の崩壊」といっても、バトラによれば「貪欲で、拝金主義的で、利己主義的な」資本主義が行きつくところまで行き、崩壊するのであって、残るべき企業、金融機関等は残り、企業間取引なども従来通り行われる。だから、一時的な大混乱の時期は覚悟しなければならないものの、バトラが「プラウト」と呼ぶ「新生資本主義」とも言うべき新しい形での資本主義はその後も続いていくのである。