今年も、世界国際報道写真展に行ってきました。
(京都では立命館大学国際平和ミュージアムで11/16まで行われています)
World Press Photo
世界国際報道写真展の展示は、イデオロギーの善し悪しを決めるためのものではなく、
そこで実際に起きていることをいかに写しだし伝えているかが、テーマにされています。
写真だけではなく、それに付けられたキャプションも含めた全ての要素が作品であり、
本当に理解するためにはその背景を知らなくてはなりません…が、その殆どは知らないこと。
例えば今年の展示ではアフリカでの紛争における様々なシーンと、
攻撃から6年が経ったアフガニスタンでの光景が多く見られました…が、
その殆どを僕は知りませんでした。
それぞれの写真に付けられたキャプションは、
その写真が撮られた背景を簡単に教えてはくれますが、
例えばその紛争の責任がどちらにあるとか、どの勢力がより悪いことをしているとか、
もっといえば、人を殺した人間が悪いのだと言うことも言及しません。
あくまで写真が伝えることが全てで、それ以上は何もない。
そこから先は、写真ではなくて見る人間の領域なのでしょう。きっと。
いろいろなことを考えさせられますが、不思議と憤ることはなく…
そうではなくて、何故こんなことが起きてしまっているのだろうか、ということと、
日本やアメリカやウクライナやその他の多くの国が、
それらの国に比べていかに平和なのか、ということを非常に強力なメッセージとして感じました。
きっと何を感じてもいいんだと思うんです。
だから僕とは全く違うことを感じる人も大勢いると思うのだけど、
僕はそんなことを感じました。
これが今僕らが生きている地球のどこかにあるのだということを。
(そして自分の見える範囲にはないのだということを)
多くの作品(作品と呼んで適当かどうかはわかりませんが)の中で、
僕が一番印象的だったのは、アフガニスタン・カブールの市場の写真でした。
2nd prize singles – World Press Photo
なぜ印象に残ったかはよくわかりませんが。
アメリカ人Benjamin Lowyの撮った、アフガニスタン・カブールのこの写真が、
なぜか一番印象に残ったのでした。
(この写真は、彼の「YEAR 6」というプロジェクトの中の1枚のようです。
彼のサイトからより大きな写真を見ることが出来ます)
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