新聞が無くなっても新聞社は潰れない…んだそうです。

全然知らなかったんだけど。
毎日新聞社の利益の31.9%を、新聞・雑誌の販売以外が占めているそうです。

痛いテレビ: 毎日不動産新聞の実態
毎日新聞の有価証券報告書を読んでみた。
EDINETで誰でも閲覧できるので、興味のある方はどうぞ。

グループ全体の売り上げが2927億円、営業利益が69億円、利益率が2.4%。
新聞・雑誌・書籍の売り上げが2820億円、営業利益が46億円(12%ダウン)、利益率は1.6%。
その他(映画・貸し室・ホテル)の売り上げが106億円(45%アップ!)、営業利益が22億円(71%アップ!)、利益率は21.5%。


へー…だから?ってまぁそうなんだけど、
マスメディアが余り好きではない人たち(例えば僕)がよく思うのは、
このまま新聞はどんどん売れなくなっていくし、新聞社はどんどん困るんじゃないの?的な。

でも実際には…表向きその辺の印象を押し出しつつ、
新聞販売に依存する体質からの脱却も徐々に進めていますよってことみたい。
(その他の利益が不動産業かどうかは別にして)

んじゃーまぁ、このまま進めてったら、新聞無くなっても潰れないんじゃね?とか。
なんかメディアとしては微妙だけど、企業としては当然と言えば当然だよな…
逆に言えば、本業以外の利益率が高まるのは、まぁなんだあれだ、
老舗の企業が衰退していく原因で多くあるもの、のような気もしないではないけど、
それだけ必死ってことか。
あと、新聞、雑誌が(売り上げがあろうが無かろうが)、利益率の低い商品だっていう。


リンクしたエントリの円グラフがざっくりしてて、
例えば広告収入とかどこに分類されるの?(その他じゃないの?)とか思ったんだけど、
財務諸表の、『事業の種類別セグメント情報』によると、

新聞・雑誌・書籍等の発行印刷・販売業
主要製品名: 毎日新聞、スポーツニッポン新聞、サンデー毎日
その他の事業
主要製品名: 貸室業、映画製作業

だって。
広告収入は発行に伴う収入だわな。当然。
そう考えると、不動産関連で ── という話もあながち煽りすぎでもないか。


ふーん。

メディアどうこうはともかく、結構堅実な経営してるんだなぁと思った。



ちなみに、

他の新聞社は、こんな感じ。

朝日新聞

グループ全体の売り上げが5984億円、営業利益が207億円で、利益率3.46%。
新聞出版事業の売り上げが5563億円、営業利益が178億円で、利益率3.2%。
その他の事業の売り上げが421億円、営業利益が28億円で、利益率6.65%。

各事業の内容は、

新聞出版事業
主要製品名: 朝日新聞等日刊紙、週刊朝日等週刊誌、アサヒカメラ等月刊誌、知恵蔵等書籍など
その他の事業
主要製品名: 不動産賃貸・管理業、文化事業、旅行・保険業など


産業経済新聞社

新聞出版の事業の売上高、営業損益の絶対値及び資産の金額は、全セグメントの売上高、営業損益の絶対値及び資産の金額の90%超であり、かつ、新聞出版の事業以外に記載すべき重要なセグメントがないため、記載を省略している。

売り上げは1996億円、営業利益が31億円で、利益率1.55%。


とのこと。



こうしてみると、

  • 毎日新聞社の副業の大きさ
  • 朝日新聞の新聞業の利益率の高さ(それでも低いけど)

が目を引くかなー。
新聞って想像以上に儲からないんだなぁ。


なお、読売新聞社(グループ)は、有価証券報告書が見つけられなかった。残念。